待てば海路の日和あり

ことわざ
待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり)

12文字の言葉」から始まる言葉
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「待てば海路の日和あり」の意味・教訓 – 待つことの価値

「待てば海路の日和あり」とは、海が荒れて船を出せない時でも、焦らずに待っていれば、やがて穏やかで航海に適した良い天気(日和)になる、という意味のことわざです。

転じて、現在は困難な状況にあったとしても、辛抱強く待っていれば、必ず好機が訪れるという希望と忍耐の大切さを教えています。
どんなに苦しい状況でも、希望を失わずに時を待つことの価値を説く言葉です。

「待てば海路の日和あり」の語源・由来 – 船乗りたちの経験則

待てば海路の日和あり

このことわざの直接的な出典は明らかではありませんが、古くから海と共に生きてきた漁師や船乗りたちの経験則に由来すると考えられています。

  • 海路(かいろ):船が通る道、すなわち航路のこと。
  • 日和(ひより):天気、特に航海に適した晴天や穏やかな天候。

昔の船乗りたちは、ひとたび海が荒れる(時化・しけ)と、なすすべなく天候の回復を待つしかありませんでした。

自然の力の前では、ただ耐え忍び、時が来るのを待つ。
この経験から、人生における様々な困難な局面においても、焦らず時期を待つことの重要性を説く教訓として、このことわざが広く使われるようになったのでしょう。

「待てば海路の日和あり」の使用場面と例文 – 困難な時の励まし

うまくいかない状況や苦しい時期にある人に対して、希望を与え、励ます言葉として使われます。
また、焦る気持ちを諌め、冷静に待つことを促す戒めとしても用いられます。
ビジネス、恋愛、学業、健康問題など、人生の様々な場面で耳にすることがあるでしょう。

例文

  • 「今は仕事がうまくいかないけど、待てば海路の日和ありと言うから、もう少し粘ってみよう。」
  • 「失恋したばかりで辛いだろうけど、待てば海路の日和あり。きっと新しい出会いがあるはずだよ。」
  • 「試験の結果がなかなか出なくて不安だけど、待てば海路の日和あり。焦らずに待とう。」
  • 「病気の回復には時間がかかるかもしれないけど、待てば海路の日和あり。必ず良くなると信じて治療に専念しよう。」

「待てば海路の日和あり」の類義語 – 忍耐や時を待つ姿勢

辛抱強く待つことや、時の経過による状況の変化を示唆する言葉は他にもあります。

  • 果報は寝て待て(かほうはねてまて):幸運は焦らず待つのが良いということ。
  • 石の上にも三年(いしのうえにもさんねん):辛抱強く続ければ、いつかは必ず成功するということ。
  • 急がば回れ:急いでいる時ほど、安全で確実な方法を選ぶべきであること。(焦らない点で共通)
  • 雨降って地固まる(あめふってじかたまる):揉め事の後は、かえって基盤がしっかりすること。(悪いことの後には良いことがある点で関連)
  • 沈黙は金(ちんもくはきん):むやみに動かず、静かにしている方が良い場合もあること。
  • 成るように成る(なるようになる):物事は自然の成り行きに任せるのが良いということ。
  • 人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ):できる限りの努力をしたら、あとは運命に任せて静かに待つこと。

「待てば海路の日和あり」の関連語 – 関連する経済学の概念

  • 機会費用(きかいひよう):ある選択をしたために諦めた、他の選択肢から得られたであろう価値や利益のこと。
    ※「待つ」という選択をする際に、他の行動を取らなかったことによる機会費用を考える上で関連。

「待てば海路の日和あり」の対義語 – 即座の行動や好機

待つこととは対照的に、すぐに行動することや好機を逃さないことの重要性を示す言葉があります。

  • 善は急げ(ぜんはいそげ):良いと思ったことは、ためらわずにすぐ実行すべきであること。
  • 思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ):何かをしようと思い立ったら、すぐに始めるのが良いということ。
  • 先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす):他人より先に行動を起こせば、有利な立場に立てること。
  • 鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて):物事を行うには、時期を逃さず、熱意のあるうちにするのが良いということ。
  • 機を見るに敏(きをみるにびん):状況の変化や好機を素早く見抜いて、的確に行動すること。
  • 今日の一針、明日の十針(きょうのひとはり、あすのとおはり):今日わずかな手間を惜しむと、明日には大きな手間がかかる。早めの対処が重要であること。
  • 後悔先に立たず(こうかいさきにたたず):物事が終わってから後悔しても手遅れであること。(行動しなかったことへの後悔を示唆)

「待てば海路の日和あり」の英語での類似表現

英語にも、忍耐強く待つことの重要性を示す表現があります。

  • Everything comes to him who waits.
    直訳:待つ者には全てが訪れる。
    意味:辛抱強く待てば、望むものが得られる。
  • Patience is a virtue.
    意味:忍耐は美徳である。
  • Time will tell.
    意味:時が経てば(結果は)わかる。今は焦らず待つしかない、というニュアンス。

まとめ – 希望を持って待つ力

「待てば海路の日和あり」は、困難な状況にあっても、希望を失わず辛抱強く待てば、やがて好機が訪れることを教えてくれることわざです。

ただし、この言葉は単なる「棚ぼた」を期待するものではありません。
「待つ」間にも、状況を好転させるための努力や準備を怠らない積極的な姿勢が大切です。
待つことは、力を蓄え、状況を見極め、次の一歩に備えるための重要な時間なのです。

焦らず、諦めず、そして必要な努力を続けながら、希望を持って待つ。
このことわざは、そんな「待つ力」の重要性を私たちに伝えています。

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