一世一代

慣用句 四字熟語
一世一代 (いっせいちだい)

7文字の言葉」から始まる言葉
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「これぞ、私の一世一代の大仕事だ!」そんな風に使われる「一世一代」という言葉、皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
人生における特別な瞬間や、大きな決意を表すこの言葉について、その意味から使い方、関連する表現まで解説いたします。

「一世一代」とは? – 基本的な意味を解説

「一世一代」とは、人が生まれてから死ぬまでの間、つまり一生涯のことを指します。
そして、そこから転じて、「一生に一度きりのこと」や「生涯で最も重要なこと」という意味で使われるのが一般的です。

何か非常に大きなこと、例えば人生を左右するような決断や、二度とないような大きな舞台、渾身の作品などを指して、「一世一代の〇〇」のように表現します。この言葉には、その出来事や行動にかける並々ならぬ意気込みや覚悟、そしてそれが非常に特別で重要なものであるというニュアンスが強く込められています。

「一世一代」の語源を探る – 言葉が生まれた背景

「一世一代」という言葉は、「一世」と「一代」という、ほぼ同じ意味を持つ言葉を重ねて強調したものです。

  • 一世(いっせい):人が生まれてから死ぬまでの間。一生。一代。
  • 一代(いちだい):生まれてから死ぬまでの間。また、その人が世に生きている間。

特別な故事や歴史的な出来事に由来するというよりは、人が生きる「一生」という時間を強調することで、「生涯に一度きり」という特別な意味合いを持たせた言葉と考えられます。
特に、歌舞伎役者が引退する際に演じる最後の得意芸を「一世一代」と呼んだことから、重大な場面や最後の晴れ舞台を指す用法が広まったとも言われています。

「一世一代」が使われる場面と例文 – 具体的な使い方

「一世一代」は、人生における「ここぞ!」という特別な場面で使われます。
個人的な大きな決断から、仕事上の重要なプロジェクト、多くの人の前での発表や演技など、その人にとって非常に重要で、二度とないかもしれないような状況を表すのに適しています。

日常的な些細な出来事に使うと、少し大げさに聞こえてしまうかもしれません。それだけ、この言葉には重みがあるのです。

例文

  • 彼は、長年の夢だったマイホーム購入を「一世一代の買い物」だと語った。
  • 引退試合での彼のピッチングは、まさに一世一代の快投だった。
  • 社長は、この新製品発表会を会社の未来を占う一世一代の大勝負と位置づけた。
  • 彼女は、プロポーズの言葉を伝えるために一世一代の勇気を振り絞った。

「一世一代」の類義語 – 似た意味を持つ言葉たち

「一世一代」と似た意味を持つ言葉はいくつかありますが、それぞれ少しずつニュアンスが異なります。

  • 生涯一度:文字通り、一生に一度しかないこと。「一世一代」とほぼ同じ意味で使われる。
  • 空前絶後:それまでにも例がなく、これからも起こらないだろうと思われるほど珍しいこと。
    「一世一代」が個人の生涯における一度きりを指すのに対し、「空前絶後」は歴史全体から見て極めて稀な出来事を指す。
  • 一期一会:一生に一度だけの機会、出会いを大切にすること。茶道の心得に由来する言葉。
    「一世一代」が何か大きな「行動」や「出来事」を指すことが多いのに対し、「一期一会」は人との出会いやその瞬間の大切さを強調する。
  • 畢生(ひっせい):一生を終えるまで。生涯。「畢生の努力」「畢生の大作」のように、生涯をかけた事柄を指す場合に用いる。「一世一代」が特定の「瞬間」や「出来事」を強調するのに対し、「畢生」は生涯を通じた「取り組み」や「成果」を指すことが多い。

「一世一代」の対義語 – 反対の意味を持つ言葉たち

「一世一代」の持つ「特別で稀なこと」という意味合いとは反対に、「ありふれていて、珍しくないこと」を表す言葉が対義語として考えられます。

  • 日常茶飯事(にちじょうさはんじ):毎日繰り返される、ありふれた普通のこと。「一世一代」のような特別な出来事とは正反対の状態。
  • 平々凡々(へいへいぼんぼん):とりたてて優れた点も変わった点もなく、ごく平凡なさま。「一世一代」の特別な輝きとは対照的な状態。
  • ありきたり:どこにでもあって珍しくないこと。平凡なこと。「一世一代」の独自性や重要性とは逆の意味合い。

「一世一代」の英語での類似表現 – 世界に目を向けて

「一世一代」の「一生に一度きり」というニュアンスに近い英語表現には、以下のようなものがあります。

  • once in a lifetime
    意味:「一生に一度の」。出来事や機会、経験などが非常に特別で稀であることを表す最も一般的な表現。
    「a once-in-a-lifetime chance(一生に一度のチャンス)」のように使われる。
  • the chance/moment of a lifetime
    意味:「一生に一度のチャンス/瞬間」。特に好機や素晴らしい瞬間を指して使われることが多い。
  • (one’s) defining moment
    意味:「(その人の)決定的な瞬間」。その人の人生やキャリアにおいて、非常に重要で、その後の方向性を決定づけるような瞬間を指す。
    「一世一代」の勝負や決断が、まさにこの「defining moment」となり得る。

これらの表現も、「一世一代」と同様に、その出来事や機会が非常に特別で重要であることを強調する際に用いられます。

まとめ – 「一世一代」の舞台を輝かせるために

「一世一代」とは、文字通り「一生に一度」の、特別な覚悟を持って臨むべき大切な瞬間を指します。
この言葉は、人生の大きな舞台や決断の重みを教えてくれます。

私たちも、いつか訪れるかもしれない「一世一代」の場面に向けて、日々の経験を大切にし、その時が来たら悔いのないよう全力を尽くしたいですね。
この言葉は、人生の輝かしい一瞬に、勇気を持って挑むことの大切さを思い出させてくれるでしょう。

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