一を聞いて十を知る

ことわざ 故事成語
一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)

12文字の言葉」から始まる言葉
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「一を聞いて十を知る」の意味 – 物事の本質を見抜く力

「一を聞いて十を知る」とは、物事の一部やわずかなヒントを聞いただけで、その全体像や本質を素早く理解できることを意味します。

非常に聡明で、理解力や洞察力に優れている人を称賛する際に用いられることわざです。
一部分の情報から全体を推察し、隠された意味や背景までも見抜く能力を表しています。

「一を聞いて十を知る」の語源 – 孔子の言葉

この言葉の出典は、中国の古典『論語』です。

孔子が、弟子である顔回(がんかい)の並外れた理解力を評して語った言葉が元になっています。
「一を聞いて十を知る」ことができる顔回の聡明さを、他の弟子との対比で示した逸話に由来します。

「一を聞いて十を知る」の使われる場面と例文 – 賢さや理解力を褒める時

「一を聞いて十を知る」は、主に人の賢さや理解力の高さを評価する、ポジティブな文脈で使われます。
ビジネスシーンで飲み込みの早い新人を紹介したり、学習能力の高い人を褒めたりする際に耳にすることがあるでしょう。
また、わずかな情報から状況全体を正確に把握する能力を指して使うこともあります。

例文

  • 「彼はまさに一を聞いて十を知る人物で、少し説明しただけですべてを理解してくれた。」
  • 「彼女の一を聞いて十を知る洞察力には、いつも感心させられる。」
  • 一を聞いて十を知るような鋭い指摘に、会議の参加者全員がはっとした。」
  • 「複雑な問題も、彼にかかれば一を聞いて十を知るように、すぐに解決の糸口を見つけてしまう。」

「一を聞いて十を知る」の類義語 – 似た意味を持つ言葉

  • 一を以て万を知る(いちをもってばんをしる):一つの事柄から、他のすべての事柄を推し量ること。
  • 目から鼻へ抜ける(めからはなへぬける):非常に賢く、物事の理解が早いさま。抜け目がないこと。
  • 明敏(めいびん):物事の判断や理解が早く、賢いこと。
  • 聡明(そうめい):物事の理解が早く、賢いこと。
  • 覚えが早い:物事をすぐに習得すること。

「一を聞いて十を知る」の関連語

  • 洞察力(どうさつりょく):物事の本質を見抜く力。
  • 理解力(りかいりょく):物事の意味や内容を正しく把握する力。
  • 察しが良い(さっしがよい):相手の気持ちや状況を、言葉にしなくても推し量ることができるさま。

「一を聞いて十を知る」の対義語 – 反対の意味を持つ言葉

  • 木を見て森を見ず:細部にこだわりすぎて、全体像を見失うこと。
  • 藪睨み(やぶにらみ):物事の一面しか見ず、本質や全体像を理解できないこと。見当違いな考え。
  • 鈍感(どんかん):物事に対する感じ方や反応が鈍いこと。察しが悪いこと。
  • 物分かりが悪い:なかなか物事を理解できないこと。

「一を聞いて十を知る」の英語での類似表現 – 英語で伝える賢さ

「一を聞いて十を知る」の聡明さや察しの良さを英語で表現する場合、いくつかの言い方があります。

  • A word to the wise is enough.
    意味:賢い人には一言で十分である。多くを語らずとも理解することのたとえ。
  • read between the lines
    意味:言葉の裏にある隠された意味を読み取ること。行間を読む。
  • (be) quick on the uptake
    意味:理解が早い、飲み込みが早い。

まとめ – 「一を聞いて十を知る」聡明さの本質とは

「一を聞いて十を知る」とは、わずかな手がかりから物事の本質や全体像を把握する、鋭い洞察力と理解力を指す言葉です。

この言葉が示すような深い理解力は、現代でも高く評価されます。
ただし、使う際には相手への配慮を忘れず、謙虚な姿勢を持つことも大切です。

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