良い花は後から

ことわざ
良い花は後から(よいはなはあとから)

9文字の言葉」から始まる言葉
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良い花は後から 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

意味・教訓 – 待つことの価値

「良い花は後から」とは、本当に価値のあるものや素晴らしい成果は、すぐには現れず、時間をかけてようやく現れるものだ、という意味を持つ言い習わしです。

焦らずにじっくりと待つことの大切さを教えてくれます。
また、人の才能についても、若い頃は目立たなくても、経験や努力を重ねることで徐々に才能を開花させ、後に大成することがある、という意味合いで使われることもあります。
物事の成就や才能の開花には、相応の時間が必要であることを示唆する言葉です。

語源・由来 – 自然の摂理に学ぶ

この言葉の明確な語源や由来は、はっきりしていませんが、美しい花が咲くには種まきから開花まで時間と手間がかかるように、物事が成就するにも相応の時間が必要である、という自然の摂理からの類推と考えられます。
特定の故事に基づいたものではなく、人の成長や努力が実を結ぶ様子を、時間をかけて咲く花に例えた比喩的な表現として、使われるようになったのでしょう。

使われる場面と例文 – 努力と希望

「良い花は後から」は、目標に向かって努力を続けているものの、まだ思うような成果が出ていない時に、自分自身や周りの人を励ます場面などで使われます。
すぐに結果が出なくても、諦めずに地道な努力を続けることの重要性や、将来への希望を示す際に用いられます。

例文

  • 「今はまだ成果が出ていないけど、良い花は後からと言うし、地道に努力を続けよう」
  • 「彼女は入社当初は目立たなかったが、良い花は後からと言うように、最近めきめきと頭角を現してきた」
  • 良い花は後からというから、今は焦らず、じっくりとプロジェクトの土台を固めていこう」
  • 「なかなか結果が出ない時期もあったけれど、良い花は後からと信じて続けてきた甲斐があった」
  • 良い花は後からという言葉を胸に、諦めずに夢を追いかけたい」

類義語 – 時間がかかる成功

  • 大器晩成:大きな器(優れた人物)は、完成するまでに時間がかかるということ。若いうちは目立たなくても、晩年に大成することを指します。
  • 遅咲き:他の人よりも才能の開花や活躍する時期が遅いこと、またその人。
  • 待てば海路の日和あり:今は状況が悪くても、焦らずに待っていれば、やがて良い機会が訪れるということ。

対義語 – 若くしての才能

  • 栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし):香木である栴檀が、双葉の頃から良い香りを放つように、優れた人物は幼い頃から非凡な才能を示すということ。「良い花は後から」とは対照的な考え方です。

英語での類似表現 – Late bloomers and Patience

「良い花は後から」のニュアンスに近い英語表現には、以下のようなものがあります。

  • A late bloomer (is often the most beautiful).
    意味:(遅咲きの花ほど美しい。)才能などが後になって開花する人(遅咲きの人)を指す表現。
  • Patience bears the best fruits. / Patience is bitter, but its fruit is sweet.
    意味:忍耐が最良の実を結ぶ。/ 忍耐は苦いが、その実は甘い。待つこと、耐えることの重要性を示します。
  • Good things come to those who wait.
    意味:待つ者には福来たる。焦らず待つことの大切さを説くことわざ。

使用上の注意点 – 言葉の性質と心構え

「良い花は後から」という言葉を使う際には、いくつかの点に留意しておくと良いでしょう。

  1. 言葉の性質:広く一般に定着した「ことわざ」というよりは、「良いものは時間をかけて現れる」という考え方を花に例えた、比喩的な言い習わしと捉えるのが適切かもしれません。
  2. 努力の重要性:この言葉は、「ただ待っていれば良い結果が出る」という楽観論ではありません。目標達成のための努力や準備を継続していることが前提となります。
  3. 成功の保証ではない:未来は不確実であり、努力が必ず報われるとは限りません。しかし、この言葉は、結果が出るまで最善を尽くし、希望を持って待つという前向きな姿勢を支えてくれます。

まとめ

「良い花は後から」という言葉は、本当に価値あるものや素晴らしい成果は、すぐには形にならず、時間をかけて実を結ぶことを教えてくれます。
焦りや不安を感じる時も、この言葉は、日々の地道な努力や準備が無駄ではないと、そっと背中を押してくれるでしょう。
才能の開花や目標の達成には時間がかかるものだと受け入れ、今はただ、目の前のことに丁寧に向き合う。
そんな風に、希望を持ってじっくりと待つことの大切さを、美しい花に例えて伝えているのです。
すぐに結果が見えなくても、その過程そのものに意味があるのかもしれません。

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