目糞鼻糞を笑う

ことわざ
目糞鼻糞を笑う(めくそはなくそをわらう)

11文字の言葉」から始まる言葉
スポンサーリンク

「目糞鼻糞を笑う」の意味・語源・由来

意味

「目糞鼻糞を笑う」とは、自分の欠点には気づかず、他人の同じような欠点を嘲笑うことのたとえです。
どちらも大差ないのに、一方をあざ笑うことの愚かさを表しています。

語源・由来

目ヤニ(目糞)と鼻クソ(鼻糞)は、どちらも体から出る不要物であり、汚いものとされています。
その目糞が鼻糞を「汚い」と笑うのは、どちらも同じように汚いのに、おかしいということです。
このことから、自分の欠点を棚に上げて他人を笑うことの愚かさを表すことわざとして使われるようになりました。

「目糞鼻糞を笑う」の使い方(例文)

  • 「いつも遅刻する彼が、他人の遅刻を非難するなんて、目糞鼻糞を笑うようなものだ。」
  • 「自分の部屋も散らかっているのに、妹の部屋の汚さを指摘するなんて、目糞鼻糞を笑う行為だ。」
  • 「借金だらけのA社が、B社の経営難を批判するとは、目糞鼻糞を笑うとしか言いようがない。」
  • 「彼女は、自分のミスは棚に上げて、同僚のミスばかりを責める。まさに目糞鼻糞を笑う人だ。」

注意! 間違った使い方

自分と相手に明らかな差がある場合には使いません。

  • 例:(✕)プロの選手がアマチュア選手のプレーを見て「目糞鼻糞を笑う」(実力差がある)

「目糞鼻糞を笑う」の文学作品での使用例

一体お增の事を蔭口するなんて、己(おれ)ア餘っ程莫迦だね。目糞が鼻糞を笑つたの同樣だ。

(二葉亭四迷「其面影」)

「目糞鼻糞を笑う」の類義語

類義語(ことわざ・慣用句)

関連する概念・心理

  • 自己認識の欠如:「自己中心的」「自己正当化」「自己欺瞞」
  • 他人への批判:「非難」「嘲笑」「欠点探し」
  • 同類、似た者同士:「どんぐりの背比べ」「五十歩百歩」

「目糞鼻糞を笑う」の対義語

使用上の注意点

「目糞鼻糞を笑う」は、相手を非難する意味合いが強いことわざです。
使う場面や相手には注意が必要です。

「目糞鼻糞を笑う」に類似した英語表現

The pot calling the kettle black.

直訳:鍋がやかんを黒いと言う。
意味:自分の欠点を棚に上げて他人を非難すること。(「目糞鼻糞を笑う」に非常に近い)

例文:
He criticized her for being late, but he’s always late himself. It’s the pot calling the kettle black.
(彼は彼女が遅刻したことを批判したが、彼自身いつも遅刻している。目糞鼻糞を笑うようなものだ。)

People who live in glass houses shouldn’t throw stones.

直訳:ガラスの家に住む人は石を投げるべきではない。
意味:自分に欠点がある人は、他人を批判すべきではない。

例文:
You shouldn’t criticize her cooking. You’re not exactly a great chef yourself. People who live in glass houses shouldn’t throw stones.
(彼女の料理を批判すべきじゃないよ。君自身、大した料理人じゃないんだから。目糞鼻糞を笑うようなものだ。)

まとめ

「目糞鼻糞を笑う」は、自分の欠点には気づかず、他人の同じような欠点を嘲笑うことの愚かさを表すことわざです。
この言葉は、私たちに、他人を批判する前に、まず自分自身を省みることの大切さを教えてくれます。
「目糞鼻糞を笑う」ような人にならないためには、常に謙虚な姿勢を持ち、自己認識を高める努力が必要です。
他人の欠点を見つけたときには、それを笑うのではなく、自分自身の戒めとする「他山の石」とすることが、より良い人間関係を築くための第一歩となるでしょう。

コメント