他山の石

ことわざ
他山の石(たざんのいし)

6文字の言葉た・だ」から始まる言葉
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「他山の石」の意味・語源・由来

意味

他山の石とは、他人の良くない言動を見て、自分の戒めとすることのたとえです。
つまらないものでも、何かの役に立つことがあるという意味でも使われます。

他人の失敗や欠点も、自分を磨くための良い材料になるという教えです。

語源・由来

他山の石は、中国の古い詩集『詩経』の小雅・鶴鳴(かくめい)篇にある一節に由来します。

他山之石、可以攻玉 (他山の石、以て玉を攻みがくべし)

よその山から出た粗悪な石でも、自分の玉(宝石)を磨く砥石としては役に立つ、という意味です。
ここから、他人の良くない言動も、自分の人格を磨くための材料になるという意味で使われるようになりました。

「攻」の字は、「治める、学ぶ、みがく」の意味です。

「他山の石」の使い方(例文)

  • 彼の失敗を他山の石として、自分は同じ過ちを犯さないように気をつけよう。
  • 先輩の厳しい指摘を他山の石として、今後の仕事に活かしていきたい。
  • 友人の失恋を他山の石として、自分はパートナーを大切にしようと思った。
  • 今回のトラブルは、他山の石とすべき貴重な教訓となった。
  • 彼の生き方は、決して褒められたものではないが、ある意味、他山の石と言えるかもしれない。

注意! 間違った使い方

  • 彼の成功は、私にとって他山の石だ。(誤用)

他山の石は、基本的には「良くないもの、劣っているもの」を指して使う言葉です。
成功例や優れたものを指して使うのは誤りです。

「他山の石」の文学作品などの用例

『詩経』の「他山の石」は、多くの文学作品や格言に影響を与えています。

夏目漱石の『草枕』にも次のような記述があります。

人の批評ほど、あてにならないものは無い。ことに平生好加減な事をやっている人間に限って、他たの批評は手きびしい。あれは他山の石として、我が身のためには、大層になる。

「他山の石」の類義語

  • 人の振り見て我が振り直せ(ひとのふりみてわがふりなおせ):他人の行動を見て、自分の行動を反省し改めよ。
  • 反面教師(はんめんきょうし):悪い見本として、反省や戒めの材料となる人や事例。
  • 前車の覆轍(ぜんしゃのふくてつ):先人の失敗は、後人の戒めとなること。

「他山の石」の対義語

  • 師(し):手本となる人。
  • 模範:手本。
  • 手本:見習うべき対象。

使用上の注意点

他山の石は、他人の良くない言動を「自分を磨く材料」として捉える言葉であり、他人を批判したり、見下したりするために使うべきではありません。
あくまでも、自己成長のための教訓として活用することが大切です。

「他山の石」の英語表現

Learn from the mistakes of others.

他人の失敗から学ぶ。

例文:
You should learn from his mistakes and make them your stepping stones.
(彼の失敗を他山の石として、自分の成長の糧にすべきだ。)

Let another’s shipwreck be your seamark.

他人の難破を自分の航海の目印にせよ。

例文:
His failure is a warning to us all; let another’s shipwreck be your seamark.
(彼の失敗は私たち全員への警告だ。他山の石とせよ。)

One man’s fault is another man’s lesson.

ある人の過ちは、他の人の教訓となる。 直訳的な表現です。

まとめ

「他山の石」は、他人の良くない言動を自分の戒めとし、成長の糧にすることのたとえです。 他人の失敗や欠点から学び、自分を磨くことを心がけましょう。

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