猿も木から落ちる

ことわざ
猿も木から落ちる(さるもきからおちる)

9文字の言葉さ・ざ」から始まる言葉
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猿も木から落ちる 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

「猿も木から落ちる」の意味・語源・由来

意味

「猿も木から落ちる」とは、その道の達人や名人といった得意な人でも、時には失敗することがあるという意味のことわざです。

木登りが得意な猿でさえ、時には木から落ちることがあるということから、どんなに優れた人でも、完璧ではないということを表しています。

このことわざは、失敗した人への慰めや、慢心している人への戒めとして用いられることが多いです。

また、人間は誰しも失敗する可能性があるのだから、失敗を恐れずに挑戦し続けることの大切さを教えてくれる言葉でもあります。

語源・由来

木登りが得意な猿でも、時には誤って木から落ちることがある——この事実から生まれたことわざです。
どんなに優れた能力を持つ人でも、常に完璧とは限らないことを表しています。
直接的な由来となったエピソードはありませんが、猿の生態を観察する中で生まれた教訓的なことわざと言えるでしょう。

このことわざは、古くから日本で使われてきたと考えられ、その正確な起源は定かではありません。
しかし、猿は日本人にとって身近な動物であり、その生態を観察する中で、このことわざが生まれた可能性は高いでしょう。

類義語のことわざの多さからもわかるように、達人や名人でも時には失敗をするという真理は、古今東西を問わず、普遍的なものであると言えます。

「猿も木から落ちる」の使い方(例文)

  • ベテランの職人が珍しくミスをした。「猿も木から落ちる」とは言うけれど、驚いたよ。
  • いくらベテランでも、「猿も木から落ちる」ことはあるのだから、常に油断は禁物だ。
  • 今回の失敗は残念だったけど、「猿も木から落ちる」と言うし、あまり気にしすぎないようにね。

注意! 間違った使い方

  • 彼はいつも失敗ばかりしている。まさに「猿も木から落ちる」だ。

(「猿も木から落ちる」は、名人や達人が珍しく失敗することを指すため、いつも失敗ばかりしている人に対しては不適切)

「猿も木から落ちる」の文学作品などの用例

猿も木から落ちるというか、あんな名人が間違うなんて、全く情ない次第でがす
中里介山「大菩薩峠」

「猿も木から落ちる」の類義語

  • 弘法にも筆の誤り(こうぼうにもふでのあやまり):
    書の名人である弘法大師でさえ、書き損じをすることがあるということ。
  • 河童の川流れ(かっぱのかわながれ):
    水辺で生活し、泳ぎが得意な河童でさえ、川に流されることがあるということ。
  • 上手の手から水が漏る(じょうずのてからみずがもる):
    どんなに上手な人でも、時には失敗をすることがあるということ。

「猿も木から落ちる」の対義語

「猿も木から落ちる」に完全に一致する対義語はありませんが、反対の意味を持つ言葉や考え方を以下に示します。

  • 百発百中(ひゃっぱつひゃくちゅう):
    何度やっても必ず成功すること。
  • 常勝無敗(じょうしょうむはい):
    常に勝って、一度も負けたことがないこと。
  • 完璧主義(かんぺきしゅぎ):
    少しの欠点やミスも許さず、完全であることを目指す考え方。
    (※必ずしも対義語とは言えませんが、考え方としては対照的です。)

使用上の注意点

「猿も木から落ちる」は、相手の失敗を非難する時でなく、慰めたり、励ましたり、戒めを伝える際に使うのが一般的です。
失敗した本人に対して直接使うと、相手を傷つける可能性があるので注意が必要です。

「猿も木から落ちる」の英語表現

Even Homer sometimes nods.

意味:ホメロスでさえ、時には居眠りをする。 ホメロスとは、古代ギリシャの偉大な詩人。

例文:
Don’t worry about making a mistake. Even Homer sometimes nods.
(ミスをすることを心配しないで。 猿も木から落ちるだよ。)

Everyone makes mistakes.

意味:誰でも失敗はするものだ。

例文:
Don’t be so hard on yourself. Everyone makes mistakes.
(そんなに自分を責めないで。 誰でも失敗はするものだよ。(猿も木から落ちる))

To err is human.

意味:過つは人の常。

例文:
It’s okay to fail sometimes. To err is human.
(時には失敗しても大丈夫。 過つは人の常だよ。(猿も木から落ちる))

まとめ

「猿も木から落ちる」とは、その道の達人や名人といった得意な人でも、時には失敗することがあるという意味のことわざです。

木登りが得意な猿でさえ、時には木から落ちることがあるということから、どんなに優れた人でも、完璧ではないということを表しています。
このことわざは、失敗した人への慰めや、慢心している人への戒めとして用いられることが多いです。

また、人間は誰しも失敗する可能性があるのだから、失敗を恐れずに挑戦し続けることの大切さを教えてくれる言葉でもあります。

失敗は誰にでもあることです。 大切なのは、失敗から学び、次に生かすことです。 「猿も木から落ちる」という言葉を胸に、失敗を恐れず、前向きに挑戦し続けましょう。

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