登竜門

三字熟語 故事成語
登竜門(とうりゅうもん)

7文字の言葉と・ど」から始まる言葉
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三字熟語 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

「このコンテストで優勝すれば、プロへの道が開ける」
「この試験に合格することが、目標への第一歩だ」
人生には、その後の成功や飛躍につながるような、重要な関門やチャンスが存在します。

今回は、そのような立身出世や成功への重要な関門を意味する「登竜門」という言葉について見ていきましょう。
この記事を読めば、「登竜門」の由来や意味、そしてどのような場面で使われるのかが分かります。

「登竜門」の意味・教訓

「登竜門」とは、立身出世や成功につながる重要な関門や試験、機会などを指す言葉です。
これを通過したり、突破したりすることで、その後の活躍が期待されるような、重要なステップやチャレンジのことを言います。

この言葉は、大きな目標を達成するためには、乗り越えなければならない試練があること、そしてそれを乗り越えた先には明るい未来が開ける可能性があることを示唆しています。

「登竜門」の語源

「登竜門」の語源は、中国の後漢ごかんの時代に遡る故事に由来します。
後漢書ごかんじょ』などに記されている伝説です。

中国の大河である黄河こうがの中流に、「竜門」と呼ばれる流れの非常に急な難所がありました。
多くの魚がこの急流を登ろうと試みますが、ほとんどは登り切ることができません。
しかし、もし鯉がこの激しい流れを登り切ることができれば、竜に姿を変えることができる、という言い伝えがあったのです。

この伝説から、「竜門」を「登る」ことが、困難な関門を突破して立身出世することのたとえとして使われるようになり、「登竜門」という言葉が生まれました。
また、当時、清廉潔白で知られた役人・李膺りように認められることが、若手官僚の出世につながったため、李膺に会うことも「登竜門」に例えられました。

「登竜門」が使われる場面と例文

現代では、特定の分野で成功するための重要なステップとなるような出来事全般を指して、広く使われています。
例えば、新人向けの文学賞、歌手や俳優のオーディション、難関とされる資格試験や入学試験、重要なプロジェクトへの参加機会などが「登竜門」と呼ばれることがあります。

例文

  • 数々の有名作家を輩出してきたこの文学賞は、まさに作家への「登竜門」だ。
  • 若手デザイナーにとって、このコンペティションでの入賞が「登竜門」となる。
  • 難関とされる国家試験の合格は、専門職への「登竜門」と言えるだろう。

「登竜門」の類義語・言い換え表現

  • 関門(かんもん):
    通り抜けるのが難しい、重要な地点や段階。登竜門の「突破すべき難所」という側面を表す。
  • 試金石(しきんせき):
    物の真価や人の能力などを試すための基準となる物事や機会。登竜門が実力を試す場である点と共通する。
  • ステップアップ
    段階的に向上すること、次のレベルに進むこと。登竜門を通過することは、しばしば大きなステップアップとなる。
  • (立身)出世(しゅっせ):
    社会的に高い地位や名声を得ること。登竜門は、出世に至るための重要な過程であることが多い。

「登竜門」の対義語

「登竜門」と直接的に反対の意味を持つ言葉は特定しにくいですが、関門を突破できない状況や、そのような挑戦とは無縁の状態を示す言葉が考えられます。

  • 挫折(ざせつ):
    目標達成の途中で失敗し、意欲を失うこと。
    ※登竜門という関門を突破できなかった状況を表す。
  • 平凡(へいぼん):
    特に目立った特徴がなく、ありふれていること。
    ※登竜門のような特別なステップとは異なる状態。
  • 現状維持(げんじょういじ):
    現在の状態を変えずに保ち続けること。
    ※登竜門を目指すような挑戦や変化を選ばない姿勢。

「登竜門」の英語での類似表現

  • gateway to success:
    意味:成功への入り口、門戸。
  • stepping stone:
    意味:(飛び石のように)目的達成のための足がかり、段階。
  • launching pad:
    意味:(ロケット発射台のように)活動やキャリアを本格的に始めるための出発点、飛躍台。
  • the acid test:
    意味:(金の純度を測る酸の試験から)真価を問われる厳しい試練、正念場。

「登竜門」に関する豆知識

日本の「こいのぼり」は、この「登竜門」の故事にちなんで、子どもたちの健やかな成長と将来の立身出世を願って飾られるようになったと言われています。
鯉が滝を登って竜になるように、困難に打ち勝って立派に成長してほしいという親の願いが込められています。

まとめ – 挑戦の先にあるもの

「登竜門」とは、立身出世や成功に至るための重要な関門やチャンスを意味する言葉です。
その語源は、中国の黄河にある急流「竜門」を鯉が登り切れば竜になる、という力強い伝説にあります。

この言葉は、目標を達成するためには困難な挑戦が必要であること、そしてそれを乗り越えた先には大きな飛躍が待っている可能性があることを教えてくれます。
人生における様々な「登竜門」に、勇気を持って挑戦していくことの大切さを示していると言えるでしょう。

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