顔面蒼白

四字熟語
顔面蒼白(がんめんそうはく)

8文字の言葉か・が」から始まる言葉
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「顔面蒼白」の意味 – 血の気を失った顔色

「顔面蒼白」とは、恐怖や驚き、激しい痛み、病気などによって、顔から血の気が引き、青白くなっている様子を表す四字熟語です。

強い精神的ショックを受けたり、体調が極度に悪化したりした際に、自律神経の働きによって顔面の血管が収縮し、血流が悪くなることで、顔色が悪く見える状態を指します。
単に顔色が悪いだけでなく、尋常でない事態や深刻な状況であることをうかがわせる表現です。

「顔面蒼白」の構成 – 言葉の成り立ち

この四字熟語は、二つの要素から成り立っています。

  • 顔面(がんめん):顔の表面全体を指します。
  • 蒼白(そうはく):「蒼」は青色、または草木が茂るような青緑色を意味しますが、ここでは広く「青ざめた」というニュアンスで使われます。「白」はそのまま白色。合わせて、血の気がなく青白い様子を表します。

つまり、「顔面蒼白」は、「顔全体が血の気を失い、青白くなっている状態」をそのまま描写した言葉と言えます。特定の故事や古典に由来するものではありません。

「顔面蒼白」の使用場面と例文 – 恐怖・驚愕・体調不良のサイン

「顔面蒼白」は、人が極度の恐怖や驚きを感じた時、激しい苦痛を覚えた時、または深刻な体調不良に陥った時の様子を描写する際に使われます。
小説やドラマなどで、登場人物の異常な状態を表現するためにもよく用いられます。

例文

  • 「事故現場を目の当たりにした彼は、顔面蒼白になって立ちすくんでいた。」
  • 「突然、激しい腹痛に襲われ、みるみるうちに顔面蒼白になった。」
  • 「上司から厳しい叱責を受け、彼女は顔面蒼白になってうつむいた。」
  • 「ホラー映画の最も恐ろしいシーンで、観客席のあちこちで顔面蒼白になっている人がいた。」
  • 「彼は幽霊でも見たかのように顔面蒼白で、ただ震えていた。」

「顔面蒼白」の類義語 – 血の気がない様子

顔色が悪く、血の気がない状態を表す言葉は他にもあります。

  • 青ざめる(あおざめる):恐怖や寒さ、病気などで顔色が悪くなり、青っぽくなること。
  • 血の気を失う(ちのけをうしなう):驚きや恐怖で顔が青白くなること。
  • 色を失う(いろをうしなう):恐怖や驚きで顔色が変わること。
  • 顔色が悪い(かおいろがわるい):健康でない時の顔色のこと。
  • 真っ青(まっさお):非常に青いさま。顔色が極めて悪い様子。
  • 土気色(つちけいろ):病気や恐怖などで、土のような生気のない顔色になること。
  • 生色ない(せいしょくない):生き生きとした血色がないさま。元気がない顔色。

「顔面蒼白」の対義語 – 健康的な顔色

血の気が引いた状態とは対照的に、健康的で血色の良い様子を表す言葉があります。

  • 血色が良い(けっしょくがよい):顔に赤みがあり、健康そうな様子。
  • 顔色が明るい(かおいろがあかるい):健康的で生き生きとした顔色。
  • 紅潮する(こうちょうする):興奮や恥ずかしさ、熱などで顔が赤くなること。
  • 血気盛ん(けっきさかん):元気や意気が満ち溢れているさま。(顔色だけでなく、気力も含意)
  • 紅顔(こうがん):赤みを帯びた若々しい顔。特に美少年の顔を指すことが多い。

「顔面蒼白」の英語での類似表現

英語で「顔面蒼白」に近い、顔が青白い状態を表す表現です。

  • pale
    意味:青白い、青ざめた。(最も一般的)
  • as white as a sheet / white as a ghost
    意味:(紙のように/幽霊のように)真っ青な。
  • ashen
    意味:灰のような、土気色の、真っ青な。
  • deathly pale
    意味:死人のように青ざめた、死相を表すほど青白い。

まとめ – 極度の状態を示す顔色

「顔面蒼白」は、恐怖、驚愕、苦痛、病気など、尋常でない原因によって顔から血の気が失われ、青白くなっている様子を的確に表す四字熟語です。
その言葉の響きからも、単なる「顔色が悪い」状態を超えた、深刻さや異常さが伝わってきます。

比喩的に、強い衝撃やショックを受けた際の精神状態を表すために使われることもありますが、実際に誰かが顔面蒼白になっている場合は、深刻な体調不良のサインである可能性も高いです。
もしそのような場面に遭遇したら、単なる表現として受け流さず、相手の状態を気遣い、必要であれば適切な対応をとることが大切です。

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