一年の計は元旦にあり

ことわざ 故事成語
一年の計は元旦にあり(いちねんのけいはがんたんにあり)

15文字の言葉」から始まる言葉
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「一年の計は元旦にあり」の意味 – 新年の計 画は年の初めに

「一年の計は元旦にあり」とは、その年一年間の計画や目標は、年の初めである元旦(1月1日)にしっかりと立てるべきである、という意味のことわざです。

これは単に新年の目標設定を促すだけでなく、広く「物事を始めるにあたっては、最初にきちんとした計画を立てることが成功の鍵である」という、計画性の重要性を示す教訓としても理解されています。
一年の計 画を最初に定めることで、目標が明確になり、計画的に物事を進めやすくなる、という考え方です。

「一年の計は元旦にあり」の語源・由来 – 中国の教えから日本へ

このことわざの元となったとされるのは、中国・明の時代の馮應京(ふうおうけい)が編纂した書物『月令広義(げつりょうこうぎ)』に記された、以下のような一節です。

一日之計在晨 (一日の計は晨(あした)にあり)
一年之計在春 (一年の計は春にあり
一生之計在勤 (一生の計は勤(きん)にあり)
一家之計在和 (一家の計は和(わ)にあり)

現代語訳:
一日の計画は早朝に立てるのが良い。
一年の計画は年の初めである春に立てるのが良い。
一生涯の計画の根本は勤勉にある。
一家の計画の根本は家族の和合にある。

本来は「一年の計はにあり」でしたが、日本では一年の始まりをより明確に示す「元旦」という言葉に置き換えられて広まったと考えられています。

ちなみに、「元旦」は元々1月1日の朝(旦)を指す言葉ですが、現代では1月1日全体を指して使われることも多くなっています。
このことわざにおいては、「年の初めの早い段階で」計画を立てるべき、という広い意味で捉えるのが一般的です。

「一年の計は元旦にあり」の使用場面と例文 – 計画性と始まりの重要性

新しい年を迎えた際に、新年の抱負や目標について語る場面で最もよく使われます。
また、何か新しいプロジェクトや事業などを始める際に、計画をしっかりと立てることの重要性を説く文脈でも用いられます。

例文

  • 一年の計は元旦にありと言うから、今年の目標をしっかり手帳に書き出そう。」
  • 「新しい事業を成功させるためには、最初の計画が肝心だ。まさに一年の計は元旦にありですね。」
  • 「彼はいつも行き当たりばったりで失敗が多い。一年の計は元旦にありという言葉を教えてあげたいよ。」
  • 「子供たちにも、一年の計は元旦にありの精神で、新学期の目標を立てるように話した。」
  • 「計画を立てるだけでなく、それを実行に移すことが大切だ。一年の計は元旦にあり、そして実行にあり、だ。」

「一年の計は元旦にあり」の類義語 – 計画性と準備

物事の始めや計画、準備段階の重要性を示す言葉があります。

  • 始めが肝心(はじめがかんじん)/ 始めが大事(はじめがだいじ):物事は、最初の部分が最も重要であること。
  • 段取り八分(だんどりはちぶ):仕事の成果は、事前の準備(段取り)でその八割が決まるということ。計画・準備の重要性を示す。
  • 先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす):他人より先に行動を起こせば、有利な立場に立てること。(計画的に早く行動する点で関連)

「一年の計は元旦にあり」の対義語 – 無計画と場当たり

計画性の欠如や、事が起きてから慌てて対応する様子を示す言葉が対照的です。

  • 行き当たりばったり:計画を立てずに、その場の状況に合わせて行動すること。
  • 無計画:計画がないこと、または立てないこと。
  • 泥縄式(どろなわしき):事が起こってから慌てて準備を始めることのたとえ。「泥棒を捕らえてから縄をなう」の意。
  • その場しのぎ:当座をごまかすだけで、根本的な解決になっていないこと。

「一年の計は元旦にあり」の英語での類似表現

英語にも、計画の重要性や物事の始まりが肝心であることを示す表現があります。

  • The whole year’s plans should be made on New Year’s Day.
    意味:「一年の計は元旦にあり」を説明的に英訳したもの。
  • Well begun is half done.
    直訳:良い始まりは、半ば完了したも同然である。
    意味:物事は最初の計画や準備がしっかりしていれば、成功したも同然である。
  • A good plan is half the battle.
    直訳:良い計画は戦いの半分である。
    意味:しっかりとした計画を立てることが、成功のために非常に重要である。

まとめ – 計画を力に変えて

「一年の計は元旦にあり」は、新しい年の始まりにあたり、しっかりと計画を立てることの重要性を教えてくれることわざです。
元々は中国の古典にある「一年の計は春にあり」という言葉が日本で変化したものですが、その根底にある「物事の成功は、始めに立てる計画にかかっている」という教えは共通しています。

年の初めに目標を定め、計画を練ることで、その一年をより目的意識を持って、効果的に過ごすことができます。
もちろん、計画は立てるだけでなく、それを実行に移し、時には状況に合わせて見直していく柔軟性も必要です。
「計画倒れ」という言葉もありますから、実現可能な計画を立て、着実に実行していくことが伴ってこそ、このことわざの真価が発揮されると言えるでしょう。
新年に限らず、何か新しいことを始める際には、この言葉を思い出し、まずはしっかりと計画を立てることから始めてみてはいかがでしょうか。

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