「釣った魚に餌はやらない」の意味・語源・由来
意味
手に入れたものや、自分のものになったものに対しては、それ以上手間や費用をかけない、という意味のことわざです。
釣り上げた魚にはもう餌をやる必要がないことから、この表現が生まれました。
主に、結婚前は熱心だった男性が、結婚後に態度が変わることを揶揄する文脈で使われることが多いです。
しかし、ビジネスシーンなど、広く人間関係全般において、目的達成後に態度が変わる、または扱いがぞんざいになることを指して使われることもあります。
語源・由来
このことわざは、文字通り釣り上げた魚にはもう餌を与える必要がない、という状況から来ています。
魚を釣るためには餌が必要ですが、一度釣り上げてしまえば、もう餌を与える必要はありません。
この状況を、人間関係やビジネスにおける対応の変化に例えたものです。
具体的な成立時期や初出の文献は特定できませんが、古くから口頭で伝えられてきた表現であると考えられます。
「釣った魚に餌はやらない」の使い方(例文)
- 「彼は結婚前はあんなに優しかったのに、結婚後はまるで釣った魚に餌はやらないタイプだ。」
- 「契約を取るまでは熱心だった営業マンが、契約後は全く顔を見せない。釣った魚に餌はやらないタイプの人だな。」
注意! 間違った使い方
- 「彼は釣った魚に餌をやらない主義だから、いつも新しいビジネスチャンスを探している。」(※誤用)
※ このことわざは、手に入れたものに対して関心を失う、あるいは冷淡になることを意味します。
新しいものを常に求めるという意味ではありません。
「釣った魚に餌はやらない」の類義語
- 高飛車に出る:相手を見下した高圧的な態度を取る
- 手のひらを返す:態度を急に変えること。
- 豹変する:態度ががらりと変わること。
- 初心忘るべからず: 本来の目的を忘れてはいけないという戒め
「釣った魚に餌はやらない」の対義語
明確な対義語はありませんが、反対の意味を表す言葉としては、以下のようなものが挙げられます。
- 誠意を尽くす/誠心誠意:真心をもって相手に接する。
- いつまでも大切にする:結婚後も態度を変えず、相手を大事にする。
使用上の注意点
「釣った魚に餌はやらない」は、主に否定的な意味で使われることわざです。
相手の態度が変わったことを非難したり、揶揄したりする際に使われます。
そのため、面と向かって相手に言うのは失礼にあたる可能性があります。
使う場面や相手には十分に注意しましょう。
「釣った魚に餌はやらない」の英語表現
Don’t feed the caught fish.
意味:ことわざを直訳した表現ですが、英語圏では一般的ではありません。
Take someone for granted
意味:(感謝せずに)~を当然のことと思う、~のありがたみがわからない。
例文:
He started to take her for granted after they got married.
(彼は結婚後、彼女を当然のことと思うようになった=釣った魚に餌はやらない、という態度になった。)
No longer make an effort
意味:もはや努力しない
例文:
He no longer made an effort to please his wife.
彼は、もはや妻を喜ばせる努力をしなくなった
まとめ
「釣った魚に餌はやらない」は、手に入れたものに対して手間や費用をかけなくなることを意味することわざです。
主に、結婚後の男性の態度変化を揶揄する文脈で使われますが、ビジネスシーンなど、広く人間関係全般で用いられます。
否定的な意味で使われることが多いため、使う場面や相手には注意が必要です。
コメント