「犬猿の仲」の意味・語源・由来
意味
非常に仲が悪いことのたとえです。
犬と猿は、出会うと互いに激しく敵意をむき出しにして争うことが多いとされています。
その様子から、相性が悪く、顔を合わせるたびにいがみ合うような関係を指して使われます。
語源・由来:
直接的な由来は特定されていませんが、古くから犬と猿の相性が悪いと考えられていたことに基づいています。
一説には、犬が野生の猿を害獣として追い払う習性があったこと、また別の説では、昔話や伝説の中で犬と猿が対立する場面が多く描かれていたことが影響していると言われています。
はっきりとした由来は不明瞭ですが、両者の習性や生態、人々のイメージなど、複合的な要素によって形成された表現だと考えられます。
「犬猿の仲」の使い方(例文)
- 「あの兄弟は、いつも些細なことで喧嘩ばかりしていて、まるで犬猿の仲だ。」
- 「隣の家のご夫婦は、犬猿の仲らしく、毎晩のように怒鳴り声が聞こえてくる。」
- 「A社とB社は、長年のライバル関係にあり、犬猿の仲として知られている。」
- 「昔は親友だった二人だが、些細な誤解が原因で、今では犬猿の仲になってしまった。」
- 「性格が正反対の彼らは、どうしても相容れず、犬猿の仲だ。」
注意! 間違った使い方
- 「彼らは犬猿の仲のように、いつも協力して仕事をしている。」
※犬猿の仲は非常に仲が悪いことを意味するため、協力関係を説明する際には使用できません。上記は誤用です。
「犬猿の仲」の類義語
- 水と油:互いに全く性質が合わず、どうしても調和しないことのたとえ。
- 氷炭相容れず(ひょうたんあいいれず):性質が正反対で、互いに相容れないことのたとえ。
- 反りが合わない:性格や考え方が合わず、しっくりこない関係。
- 呉越同舟(ごえつどうしゅう):仲の悪い者同士が同じ場所に居合わせること。
(※敵対関係にある、という意味合いも含む)
「犬猿の仲」の対義語
- 刎頸の交わり(ふんけいのまじわり):お互いのためなら首をはねられても後悔しないほどの、非常に親密な交際。
- 肝胆相照らす(かんたんあいてらす):互いに心の底まで打ち明け、深く理解し合っている関係。
- 水魚の交わり(すいぎょのまじわり):非常に親密な交際、離れることのできない関係のたとえ。
使用上の注意点
「犬猿の仲」は、非常に強い否定的な意味を持つ表現です。
人間関係について述べる際に使うことが多いですが、相手を不快にさせる可能性もあるため、使用する場面や相手には注意が必要です。
「犬猿の仲」の英語表現
Be like cats and dogs.
直訳:猫と犬のようだ。
意味:犬猿の仲
例文:
Those two are like cats and dogs. They can’t stand each other.
(あの二人は犬猿の仲だ。お互いに我慢できないんだ。)
Fight like cat and dog.
直訳:猫と犬のように喧嘩する
意味:ひどく喧嘩する。犬猿の仲
例文:
The siblings fought like cat and dog growing up.
(その兄弟は、育った環境で、犬猿の仲のように喧嘩をしていた。)
まとめ
「犬猿の仲」は、非常に仲が悪い関係を表す慣用句です。
犬と猿が出会うと激しく争う様子から生まれたとされています。
この言葉を使う際は、非常に強い否定的な意味合いを持つため、状況や相手に配慮することが大切です。
ビジネスシーンなど、フォーマルな場では使用を避けた方が無難でしょう。
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