猫も杓子も

慣用句
猫も杓子も(ねこもしゃくしも)

8文字の言葉」から始まる言葉
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「猫も杓子も」の意味・語源・由来

意味

「猫も杓子も」とは、誰も彼も、あらゆる人、みんな という意味です。
区別なく、広く大勢の人々を指す表現です。 

やや軽蔑的なニュアンスを含むことがあり、「誰でも彼でも同じように」「流行に流される様子」を指す場合に使われることもあります。

語源・由来

「猫も杓子も」の語源には、いくつかの説があります。

  1. 仏教用語説
    仏教の「悉曇(しったん)」が変化し、「しった」が「杓子」に転じたという説があります。しかし、音韻の変化が不自然なため、俗説と考えられています。
  2. 女性蔑視説
    女性を「猫」、飯をよそう道具である杓子を「女性の使用人」に例え、女性を卑下する言葉だったという説もあります。ただし、これも確証はありません。
  3. 身近なものを例にした説(有力)
    「猫」や「杓子」は、どこにでもある身近なものの代表として選ばれたと考えられます。これにより、「あらゆる人や物」を指す表現になったとされます。

「猫も杓子も」の使い方(例文)

  • 「最近は猫も杓子もスマートフォンを持っている。」
  • 「あのイベントは、猫も杓子も集まって、大混雑だった。」
  • 猫も杓子も同じような服装をしている。」
  • 「昔は、猫も杓子も野球を見ていたものだ。」
  • 「このブランド、一時期は猫も杓子も持っていたよね。」

注意! 間違った使い方

  • 「彼は猫も杓子も才能がある」(✕ 誤用)
    ※才能があるのは特定の人なので、「誰も彼も」という意味のこの表現は不適切。

「猫も杓子も」の類義語

  • 誰も彼も:全ての人。
  • みんな:全ての人。
  • ありとあらゆる:すべてのもの。

「猫も杓子も」の対義語

  • 唯一無二:ただ一つで、他にないこと。
  • 少数精鋭:限られた数のすぐれた者だけで組織すること

使用上の注意点

「猫も杓子も」は、やや軽蔑的なニュアンスを含む場合があるため、使う場面には注意が必要です。
特定の個人や集団を指して使うと、失礼にあたる可能性があります。
また、目上の人に対して使うのも避けた方が良いでしょう。

「猫も杓子も」と同じ、または類似した英語表現

Every Tom, Dick, and Harry

直訳:トムもディックもハリーも
意味:誰も彼も、あらゆる人(「猫も杓子も」と同じ意味)

例文:
Every Tom, Dick, and Harry seems to be using that app.
(誰も彼もがそのアプリを使っているようだ。)

Every man and his dog

直訳:すべての人と彼の犬
意味:誰も彼も、非常に多くの人

例文:
Every man and his dog was at the concert last night.
(昨夜のコンサートには誰も彼もが来ていた。)

All and sundry

意味:誰も彼も、あらゆる人々

例文:
The invitation was extended to all and sundry.
(招待状はあらゆる人々に送られた。)

まとめ

「猫も杓子も」は、誰も彼も、あらゆる人、みんな という意味の慣用句です。
やや軽蔑的なニュアンスを含む場合があるため、使う場面には注意が必要です。
類義語や英語表現も併せて覚え、表現の幅を広げましょう。

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