もくじ
意味 – 全員の意見がそろうこと
「満場一致」とは、その場にいるすべての人々の意見や考えが、完全に一つにまとまることを意味する四字熟語です。
誰一人として反対や異論がなく、全員が同じ意見で合意している、理想的な状態を表します。
語源 – 「満場」と「一致」が示すもの
この言葉は、「満場」と「一致」という、二つの分かりやすい言葉で成り立っています。
- 満場(まんじょう):その会場全体、つまり、その場にいるすべての人々を指します。
- 一致(いっち):二つ以上のものが、ぴったりと一つになること。ここでは、意見や考えが同じであることを意味します。
特定の古い物語(故事)に由来するわけではありませんが、会議や集会など、多くの人が集まる場で、全員の意見が一つにまとまった様子をそのまま表現した言葉として、広く使われています。
使われる場面と例文 – 全員賛成の状況
「満場一致」は、会議や総会などで議案が承認されるとき、役員などが選出されるとき、あるいは何らかの決定がなされる際に、出席者全員が賛成・同意した状況を表すのに用いられます。
例文
- 「その重要な議案は、議論の末、満場一致で可決されました。」
- 「新しいプロジェクトリーダーの選出は、満場一致で決まりました。」
- 「彼の長年の功績を称える動議は、満場一致で採択された。」
- 「これほど多くの人の意見が、きれいに満場一致となるのは珍しいことです。」
類義語 – みんなの意見が同じ様子
- 全会一致(ぜんかいいっち):会議や集会などに出席した人、全員の意見が一致すること。「満場一致」とほとんど同じ意味で、特に会議の場面などでよく使われます。
- 異口同音(いくどうおん):たくさんの人が、口をそろえて同じことを言うこと。結果として意見が一致している状況を表すことが多いです。
- 総意(そうい):関係者全体のまとまった意見や考え。「満場一致」によって形成されるのが理想的な「総意」と言えるかもしれません。
対義語 – 意見が分かれる状況
- 賛否両論(さんぴりょうろん):ある事柄に対して、賛成する意見と反対する意見の両方があること。
- 意見が分かれる:複数の異なる意見が出て、一つにまとまらない状態。
- 多数決(たすうけつ):意見が「満場一致」とならない場合に、より多くの人に支持された意見を採用して物事を決定する方法。
英語での類似表現 – 全員一致を表す英語
その場にいる全員の意見が一致している状態を表す英語表現には、以下のようなものがあります。
- unanimous
意味:全員一致の、満場一致の。(形容詞として使います。例: a unanimous decision – 全員一致の決定) - unanimously
意味:全員一致で、満場一致で。(副詞として使います。例: decided unanimously – 全員一致で決定した) - with one accord / in full accord
意味:全員一致で、こぞって、心を一つにして。 - without dissent
意味:異議なく、反対意見なく。
まとめ
「満場一致」は、その場にいる全員の意見が完全に一つになる、理想的な合意の状態を表す四字熟語です。
「満場」(その場の全員)の意見が「一致」するという、言葉の構成からも意味が分かりやすいですね。
会議での決定や人の選出など、様々な場面で、全員が納得し、賛同していることを示す際に使われます。
現実にはなかなか達成が難しい状況かもしれませんが、だからこそ「満場一致」で物事が決まった際には、その決定の重みや、そこにいる人々の連帯感がより一層感じられるのかもしれません。
ただし、時には同調圧力などによって、表面的に「満場一致」のように見える場合もあるかもしれません。
その言葉が使われる背景にも、少しだけ思いを巡らせてみると、より深く状況を理解できるかもしれませんね。
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