両手に花

慣用句
両手に花(りょうてにはな)

7文字の言葉」から始まる言葉
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「両手に花」の意味・教訓 – 最高の幸せ、独り占め?

「両手に花」とは、主に二つの状況を表す慣用句です。

  1. 二つの素晴らしいもの、価値あるものを同時に手に入れること。
    例えば、仕事での成功とプライベートの充実など、誰もが望むような良いことを両方とも得ているような状況です。
  2. 一人の男性が、左右に美しい女性を連れている、あるいは囲まれていること。
    文字通り、美しい花(女性)を両手に持っているような状況を指します。

いずれの場合も、非常に恵まれていて、周りから見れば何ともうらやましい状況を表す言葉です。
「最高の幸せを独り占めしているようだ」といったニュアンスで使われますね。

「両手に花」の語源・由来 – 美しい「花」に囲まれて

この「両手に花」という表現が、いつ、どのようにして生まれたのか、その正確な起源ははっきりしていません。
しかし、「花」が古くから美しいもの、喜ばしいものの象徴として使われてきたことを考えると、その由来は自然に想像できるのではないでしょうか。

誰もが美しいと感じる「花」を、一つだけでなく両方の手に持つ。
それは、この上なく満たされた、贅沢で幸運な状態を表すのにぴったりの表現です。

特に、美しい女性を花に例えることは、文学などでも古くから行われてきました。
そのため、左右に魅力的な女性がいる状況を「両手に花」と表現するようになったのも、ごく自然な流れだったのでしょう。
記録によれば、近世の初期(江戸時代初期頃)にはすでに使われていたようです。

「両手に花」の使用される場面と例文

「両手に花」は、非常に恵まれた、うらやましい状況を表現したい時に使われます。具体的には、以下のような場面です。

  • 二つの良いこと(物、状況など)が同時に実現した時
  • 魅力的な女性たちに囲まれている男性の様子を描写する時(※後述の注意点あり)
  • 誰かの幸運な状況を見て、少しユーモアを交えながら「うらやましい!」と表現する時

例文

  • 「彼は、希望の会社に就職が決まり、長年の恋人とも結婚が決まった。まさに両手に花だね!」
  • 「パーティーで、彼は人気女優二人に挟まれて、両手に花状態で写真に写っていた。」
  • 「欲しかった限定モデルのスニーカーと、プレミアチケットを同時に手に入れるなんて、両手に花じゃないか!」
  • 「社長と専務という、会社のトップ二人に挟まれての記念撮影は、緊張したけれど両手に花の気分だった。」

「両手に花」の類義語

  • 二つながら / 両方とも:二つのものが揃っている状態をシンプルに示します。
  • 兼ね備える:二つ以上の(主に良い)性質や要素を併せ持っていること。
  • 恵まれている:幸運な状況にあること。「両手に花」の状況を表す一般的な言葉です。

「両手に花」の対義語

「両手に花」の直接的な対義語となる慣用句はありませんが、二つのものを追って失敗する、という対照的な結果を表すことわざがあります。

  • 虻蜂取らず:欲張って二つのものを同時に得ようとし、結局どちらも逃してしまうこと。
  • 二兎を追う者は一兎をも得ず:同時に二つの目標を達成しようとすると、結局どちらも成功しないことのたとえ。

「両手に花」の英語での類似表現 – The Best of Both Worlds

  • have the best of both worlds
    直訳:両方の世界の最も良いところを持つ
    意味:二つの異なる良い状況や利点を同時に享受すること。「良いとこ取り」のニュアンスも。
  • sitting pretty
    直訳:きれいに座っている
    意味:有利で快適な、恵まれた状況にいること。

使用上の注意点 – 時代と共に変化する言葉のニュアンス

「両手に花」は、基本的には幸運でうらやましい状況を表すポジティブな言葉です。
しかし、特に「左右に美しい女性を従えている」という意味で使う場合、現代では注意が必要です。

この表現は、状況によっては、女性を単なる「花」(=飾り、所有物)のように見ている、あるいは男性中心的な視点に基づいている、と受け取られかねません。
個人の尊厳やジェンダー平等への意識が高まっている現代においては、無自覚に使うと、古い価値観を引きずっている、あるいは女性蔑視的だと感じさせてしまう可能性があります。

もちろん、親しい間柄でのユーモラスな表現として使われる場合もありますが、公の場や、相手との関係性をよく考えずに使うのは避けた方が賢明でしょう。言葉の持つ本来のイメージと、現代社会の感覚とのバランスを考えることが大切です。

「両手に花」のまとめ

「両手に花」は、誰もがうらやむような、二つの素晴らしいものを同時に手に入れた幸運な状況を表す慣用句です。
美しい花を両手に持つイメージから、満たされた幸福感が伝わってきますね。

元々は、左右に美しい女性を伴う男性の様子を指すことも多かったこの言葉ですが、現代ではその使い方に少し注意が必要です。

言葉は時代と共に、そのニュアンスも少しずつ変化していきます。「両手に花」という言葉の持つ華やかさや幸運のイメージを楽しみつつも、使う場面や相手への配慮を忘れずにいたいものです。
皆さんの周りにも、「両手に花」な状況の方はいらっしゃるでしょうか?

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