意味
「為せば成る」とは、やればできる、という意味のことわざです。
強い意志を持って行動すれば、どんなことでも達成できるという、積極的な行動を促す言葉です。
語源・由来
「為せば成る」の正確な初出は不明です。
しかし、このことわざの背景には、いくつかの説があります。
上杉鷹山の言葉説
江戸時代中期の米沢藩主、上杉鷹山(うえすぎようざん)の言葉として広く知られています。
鷹山は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という歌を残しました。
為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり
(やればできる、やらなければできない、何事も。できないのは、人がやらないからだ)
この歌は、財政難に陥っていた米沢藩を、倹約や産業振興などの改革によって立て直した鷹山の、強い信念を表していると言われています。
武田信玄の言葉説
武田信玄の言葉「為せば成る、為さねば成らぬ。成る業を成らぬと捨つる人の儚さ」が元になっているという説もあります。
中国の古典説
中国の古典に由来するという説もありますが、具体的な出典は明確ではありません。
使用される場面と例文
「為せば成る」は、主に以下のような場面で使われます。
- 目標達成に向けて、人を励ますとき
- 困難な状況でも、諦めないように促すとき
- 新しいことに挑戦する人を後押しするとき
例文
- 「難しそうに見えるかもしれないけど、為せば成るだよ。諦めずに頑張ろう。」
- 「為せば成るの精神で、このプロジェクトを必ず成功させよう。」
- 「初めてのことでも、為せば成ると信じて挑戦することが大切だ。」
- 「何度失敗しても、為せば成ると思って努力を続ければ、いつか必ず目標を達成できる。」
注意点(避けるべき使い方)
- 無謀な挑戦を促す場合
「為せば成る」は、どんなことでもやればできるという意味ではありません。
実現不可能な目標や、無謀な挑戦を促すような使い方は避けるべきでしょう。 - 精神論に偏りすぎる場合
「為せば成る」は、精神論に偏りすぎると、具体的な計画や準備を怠る原因になる可能性があります。
努力だけでなく、戦略や準備も大切です。 - 相手の状況を考慮しない場合
相手の状況や能力を考慮せずに、「為せば成る」という言葉を使うと、プレッシャーを与えたり、追い詰めたりする可能性があります。
類義語
- 精神一到何事か成らざらん(せいしんいっとうなにごとかならざらん):精神を集中して物事にあたれば、どんなことでも成し遂げられないことはない。
- 一念通天(いちねんつうてん):固い決意をもって一心に念じれば、その思いは天に通じる。
- 初志貫徹(しょしかんてつ):最初に決めた志を最後まで貫き通すこと。
- やればできる: 行動すれば、達成できる。
関連する心理学の概念
- 自己効力感: 自分には目標を達成する能力があると信じること。
「為せば成る」という言葉は、自己効力感を高める効果があります。
対義語
- 為さねば成らぬ:やらなければ、何も実現しない。(上杉鷹山の歌の一部)
- 無理だ:できる見込みがない。
- 不可能:できる可能性がないこと。
- どうせ無理: 諦めの言葉。
英語表現(類似の表現)
- Where there’s a will, there’s a way.
直訳:意志あるところに道あり。 - If you put your mind to it, you can accomplish anything.
直訳:もしあなたがそれに心を注げば、どんなことでも達成できる。 - Nothing is impossible.
直訳:不可能なことはない。
まとめ
「為せば成る」は、強い意志を持って行動すれば、どんなことでも達成できるという、積極的な行動を促すことわざです。
目標達成に向けて努力する人を励ます言葉として、広く使われています。
この言葉を胸に、諦めずに挑戦し続けることが、成功への鍵となるでしょう。
ただし、「為せば成る」は万能の言葉ではありません。
状況をよく見極め、適切な準備と努力を怠らないことが大切です。
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