もくじ
「言行一致」の意味 – 言葉と行動が合っていること
「言行一致」とは、口で言うことと、実際の行動とが、ぴったり合っていることを意味する四字熟語です。
言っていることとやっていることが同じである、有言実行の状態を示します。
この状態は、その人の誠実さや信頼性を示すものとして、一般的に非常に肯定的に評価されます。
「言行一致」の成り立ち – 二つの要素が示す誠実さ
「言行一致」は、「言行」と「一致」という二つの要素から成り立っています。
- 言行(げんこう):「言」は言葉、「行」は行いを意味し、合わせて「言葉と行動」全体を指します。
- 一致(いっち):二つのものがぴったりと合うこと、食い違いや矛盾がない状態を示します。
つまり、「言葉と行動(言行)が、ぴったり合っている(一致)」ことを表しています。
特定の物語が由来ではありませんが、言葉と行動に矛盾がないことは、古くから儒教などの思想で、人の誠実さを示す重要な点とされてきました。
「言行一致」が使われる場面と例文 – 信頼性の証
「言行一致」は、人の言動を評価する際、特にその人の信頼性や誠実さを示すときに使われます。
政治家や経営者、リーダーなど、人の上に立つ人物に対して使われることが多いほか、個人の目標設定や自己評価の文脈でも用いられます。
目指すべき理想の状態として語られることも多い言葉です。
例文
- 「彼の素晴らしいところは、常に言行一致を心がけている点だ。」
- 「リーダーには、方針を語るだけでなく、言行一致の姿勢が求められる。」
- 「口では立派なことを言うが、言行一致が伴わないため、誰も彼を信用しない。」
- 「目標達成のためには、まず自分自身が言行一致を実践することが大切だ。」
「言行一致」の類義語 – 誠実さや実行力を示す言葉
- 有言実行(ゆうげんじっこう):言ったことを必ず実行すること。
「言行一致」と非常に近いですが、「言ったことを行う」という実行力にやや焦点が当たります。 - 言動一致(げんどういっち):言うこと(言)と行動(動)が一致すること。
「言行一致」とほぼ同じ意味で使われます。 - 誠実(せいじつ):真心があり、偽りがないこと。
言行一致の根底にある性質や態度を指します。 - 表裏一体(ひょうりいったい):表と裏が一つであること。
矛盾がない、隠し事がないという意味で使われる場合、「言行一致」と通じる面があります。
「言行一致」の対義語 – 矛盾や不誠実を示す言葉
- 言行不一致(げんこうふいっち):言うことと行動が合っていないこと。「言行一致」の直接的な対義語です。
- 有言不実行(ゆうげんふじっこう):言うだけで実行しないこと。
- 口先だけ(くちさきだけ):言葉だけで、行動や実質が伴わないこと。リップサービス。
- 食言(しょくげん):「言ったことを食べる」ことから、約束を破ること、前言を取り消すこと。
- 表裏不同(ひょうりふどう):表面と内実が異なること。心口不一致。
「言行一致」の英語での表現 – Practice what you preach
「言行一致」の「言うこととやることを一致させる」というニュアンスは、英語では以下のように表現されます。
- practice what you preach
意味:「説教する(preach)ことを実践する(practice)」。まさに「言行一致」を表す代表的なイディオムです。 - walk the talk
意味:「話す(talk)ことを歩む(walk)」。言った通りに行動するという意味の、比較的新しい口語表現です。 - Actions speak louder than words.
意味:「行動は言葉よりも雄弁である」。言葉よりも実際の行動の方が重要であることを示し、「言行一致」の価値を裏付けることわざです。 - consistency between words and deeds
意味:言葉と行動の間の一貫性。より直接的、説明的な表現です。
「言行一致」のまとめ – 信頼を育む言葉と行動
「言行一致」とは、口で言うことと実際の行動が、ぴったり合っていることを意味します。
この一貫した姿勢は、周りの人からの「この人は信頼できる」という気持ち、つまり信頼感を育む大切な土台となります。
なぜなら、言葉に行動が伴う人には、私たちは安心感を覚えるからです。
「言うは易く行うは難し」という言葉もありますが、自分の発した言葉に責任を持ち、それを行動で示そうと意識すること。
それが「言行一致」の本質であり、私たち自身の誠実さを示すと共に、人とのより良い繋がりを築いていく上で、いつも心に留めておきたい姿勢と言えるでしょう。
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