もくじ
「一望千里」の意味 – 広がる景色を捉える言葉
「一望千里」とは、ひと目で千里(非常に遠い距離)先まで見渡せるような、広々とした壮大な眺めを意味する四字熟語です。
どこまでも続くかのような、遮るもののない広大な景色や風景を表現する際に用いられます。
目の前に広がる雄大な光景に対する感動や、その開放感を伝える言葉と言えるでしょう。
「一望千里」の成り立ち – 言葉の構造
この四字熟語は、それぞれの漢字が持つ意味を組み合わせることで、その情景を巧みに表現しています。
- 一望(いちぼう):
「一」は「ひとたび」、「望」は「遠くを眺める」ことを意味します。つまり、「ひとたび眺め渡すこと」を示します。 - 千里(せんり):
「千」は「数が多いこと」、「里」は「距離の単位(1里は約3.9km)」ですが、ここでは具体的な距離ではなく、「非常に遠い距離」や「広大な範囲」を比喩的に表しています。
この二つの要素が合わさることで、「一度見渡すだけで、遥か遠くまで広がる景色」という意味が生まれます。
「一望千里」が使われる場面と例文 – 壮大な景色を描写する
「一望千里」は、山頂や展望台、広大な平野や海など、見晴らしの良い場所から見た景色を表現する際に最適です。
物理的な景色だけでなく、比喩的に広々とした状況や、将来の見通しが明るい様子を表す場合にも使われることがあります(ただし、主に景色に使われます)。
「一望千里」の例文
- 「展望台からの眺めはまさに一望千里で、息をのむほど美しかった。」
- 「飛行機の窓からは、一望千里の雲海が広がっていた。」
- 「丘の上に立つと、一望千里の田園風景が目の前に現れた。」
- 「遮るもののない砂漠は、一望千里の世界だ。」
「一望千里」の類義語 – 似た意味を持つ言葉たち
- 一目千里(いちもくせんり):意味は「一望千里」とほぼ同じで、ひと目で千里を見渡せるような広大な眺めを表します。
「望」が「目」に変わった表現です。 - 見渡す限り(みわたすかぎり):視界の及ぶ範囲全体を指し、「一望千里」と同様に広々とした様子を表す際に使われる、より一般的な表現です。
- 広大無辺(こうだいむへん):果てしなく広々としている様子を表す四字熟語です。
空間的な広がりに焦点が当てられています。
「一望千里」の対義語 – 限られた視界を表す言葉
- 管中窺天(かんちゅうくてん):管(くだ)の中から天をのぞくように、見識や視野が非常に狭いことのたとえです。
※ 物理的な視界の狭さだけでなく、考え方や知識の範囲が狭いことにも使われます。 - 坐井観天(ざせいかんてん):井戸の中に座って空を見上げることから、見識が狭いことのたとえです。
「管中窺天」とほぼ同じ意味合いで使われます。 - 目と鼻の先(めとはなのさき):距離が非常に近いことを表す慣用句です。
広大な眺めとは正反対の状況を示します。
「一望千里」の英語での類似表現 – 広がる眺めを伝えるフレーズ
「一望千里」の壮大な眺めを英語で表現するには、以下のようなフレーズが使えます。
- As far as the eye can see
意味:見渡す限り、目の届く限り。 - A panoramic view
意味:全景、パノラマの景色。
広範囲にわたる連続した景色を指します。 - A sweeping vista
意味:広々とした眺め、壮大な景色。
特に広がりと雄大さを強調する表現です。
「一望千里」のまとめ
「一望千里」は、目の前に広がる壮大で遮るもののない景色を表現する、力強く美しい四字熟語です。
この言葉は、単に物理的な広がりを示すだけでなく、その景色を目にした時の感動や開放感をも伝えてくれます。
山頂から見下ろす街並み、どこまでも続く水平線、広大な草原など、素晴らしい景色に出会った際には、ぜひこの「一望千里」という言葉を思い浮かべてみてください。
その情景の雄大さを、より深く味わうことができるでしょう。
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