もくじ
「牛飲馬食」とは? – 度を超えた飲み食いの様子
「牛飲馬食」とは、まるで牛が水をがぶ飲みし、馬が草をむさぼり食うように、非常にたくさん飲んだり食べたりする様子を表す四字熟語です。
ただ単に飲食の量が多いだけでなく、しばしば、その様子に品がない、マナーを顧みない、といった否定的なニュアンスを含んで使われることがあります。
必要以上に飲み食いする、むさぼるように飲み食いするといったイメージが伴う言葉です。
「牛飲馬食」の成り立ち – 動物の姿から
この言葉は、「牛飲」と「馬食」という二つの言葉が組み合わさってできています。
- 牛飲(ぎゅういん):牛が大量の水を一度に飲む様子から、大酒を飲むこと、がぶ飲みすることを指します。
- 馬食(ばしょく):馬が大量の干し草を食べる様子から、たくさん食べること、大食いをすることを指します。
特定の古い物語や事件に由来するわけではなく、たくさんの飲食をする様子を、身近な動物である牛と馬の豪快な(あるいは、がむしゃらな)飲食の姿にたとえて表現したものです。
「牛飲馬食」が使われる場面と例文
「牛飲馬食」は、人の飲食の仕方を批判的に表現する際や、度を越した飲食ぶりをやや大げさに描写する際に使われます。
健康を害するほどの飲食や、周りのことを考えないような食べ方・飲み方を指して使われることが多いでしょう。
例文
- 「彼は宴会になると、いつも牛飲馬食して、周りを少し呆れさせている。」
- 「若い頃は牛飲馬食しても平気だったが、今はもう体がついていかない。」
- 「健康診断の結果を見て、これまでの牛飲馬食の生活を反省した。」
- 「接待とはいえ、連日の牛飲馬食はさすがに体にこたえる。」
「牛飲馬食」の類義語
- 暴飲暴食(ぼういんぼうしょく):加減をせず、むやみに飲んだり食べたりすること。
「牛飲馬食」と非常によく似た意味で、健康を害するほどの飲食を指すことが多いです。 - 鯨飲馬食(げいいんばしょく):「牛飲」をさらに強調し、「鯨飲(げいいん)」(鯨のように大量に飲むこと)とした言葉。
特に飲む量が多いことを強調する場合に使われます。 - 大食らい/大飯食らい:たくさん食べる人を指す言葉。
- 大酒飲み:たくさんお酒を飲む人を指す言葉。
「牛飲馬食」の対義語
- 小食(しょうしょく):食べる量が少ないこと。また、その人。
- 粗食(そしょく):質素で粗末な食事のこと。美食や飽食の対極にある食事を指します。
- 節制(せっせい):度を越さないように控えめにすること。飲食に限らず、生活全般について使われます。
「牛飲馬食」の英語での類似表現
英語で「牛飲馬食」のような、度を超えた飲食を表す表現には、以下のようなものがあります。
- Eat like a horse
意味:馬のようにたくさん食べる、大食いである。
(文字通り「馬のように食べる」で、「馬食」の部分に近い表現です。) - Drink like a fish
意味:魚のようにたくさん(お酒を)飲む、大酒飲みである。
(「牛飲」の部分に近いですが、特にお酒について使われます。) - Pig out
意味:むさぼり食う、たらふく食べる。
(ややくだけた表現で、食べ過ぎる様子を指します。) - Wolf down (food)
意味:(食べ物を)がつがつ食べる、かき込む。
(食べる速さや品のない様子を強調する表現です。) - Guzzle (drinks)
意味:(飲み物を)がぶがぶ飲む。
(特に飲み物を大量に、またしばしば急いで飲む様子を指します。)
「牛飲馬食」のまとめ – 言葉の意味と心掛けたいこと
「牛飲馬食」とは、非常にたくさん飲み食いする様子を表す言葉ですが、多くの場合、品がない、節度がないといった好ましくない意味合いで使われます。
そのため、他人の飲食ぶりに対して使う際には、批判的と受け取られないよう、相手への配慮や状況判断が大切になります。
もちろん、ご自身の過去の食生活を振り返って「あの頃は牛飲馬食だった」というように使うのは問題ないでしょう。
この言葉に触れるとき、私たちは日々の食生活における「節度」や「バランス」の大切さを、改めて考えるきっかけをもらえるのかもしれませんね。
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