月下氷人

四字熟語 故事成語
月下氷人(げっかひょうじん)

8文字の言葉け・げ」から始まる言葉
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「月下氷人」の意味 – 縁を結ぶ仲人

「月下氷人」(げっかひょうじん)とは、男女の縁を取り持つ人、つまり結婚の仲立ちをする人、仲人(なこうど) を指す言葉です。

月夜や氷といった、少し神秘的でロマンチックな響きを持つこの言葉は、男女の縁を結びつける大切な役割を担う人を、美しい情景と共に表現しています。

「月下氷人」の語源 – 二つの故事を合わせて

「月下氷人」は、中国に伝わる二つの古い物語が組み合わさって成立した言葉です。

月下老人げっかろうじん」の伝説

これは月夜の下で、運命で結ばれた男女の足首を見えない赤い糸で結ぶという存在を描いた物語です。
ここから「縁の不思議さ」や「運命」を象徴する「月下」が取られました。

氷人ひょうじん」または「氷上人ひょうじょうじん」の故事

夢のお告げにより、氷の上(男性)と氷の下(女性)の間を取り持つ、つまり結婚の仲立ちをする役割を担った人物の話です。
ここから「仲立ちをする人」を表す「氷人」が取られました。

これら二つの物語の要素、「運命の縁」を想起させる「月下」と、「仲立ちをする人」を表す「氷人」が合わさり、結婚の仲介者を指す「月下氷人」という言葉が生ました。

「月下氷人」が使われる場面と例文 – 結婚の縁を取り持つ時

「月下氷人」は、主に結婚式のスピーチなどで、新郎新婦の縁を取り持った仲人や媒酌人(ばいしゃくにん)を紹介したり、感謝の意を表したりする際に使われることが多い言葉です。
現代の日常会話で頻繁に使う言葉ではありませんが、文学的な表現や、少し改まった場面で見聞きすることがあります。

例文

  • 「本日は、新郎新婦の月下氷人をお務めいただいた、〇〇様ご夫妻にご祝辞を賜ります。」
  • 「私たちの出会いは、まさに部長が月下氷人となってくださったおかげです。」
  • 「彼女は友人の月下氷人となり、二人の幸せな結婚を見届けた。」
  • 「彼は照れながらも、二人の月下氷人としての役割を喜んでいた。」

「月下氷人」の類義語 – 縁談を取り持つ人々

  • 仲人(なこうど):結婚の仲立ちをする人。現在、一般的に最もよく使われる言葉です。
  • 媒酌人(ばいしゃくにん):結婚式などで、仲人として両家の間を取り持つ役割の人。より公式な場面で使われます。
  • 恋のキューピッド:恋愛や結婚のきっかけを作った人を、ローマ神話の愛の神にたとえた表現。
  • 縁結びの神:男女の縁を結ぶとされる神様。比喩的に、縁を取り持った人を指すこともあります。

「月下氷人」の対義語

「月下氷人」は縁を結ぶ人を指すため、直接的な対義語というのは考えにくいです。
無理に反対の状況を考えるとすれば、「縁を切らせる人」や「仲たがいさせる人」などが考えられますが、定まった対義語はありません。

「月下氷人」の英語での表現 – Matchmaker

「月下氷人」が意味する「仲人」は、英語では以下のように表現されます。

  • matchmaker
    意味:結婚の仲介をする人。最も一般的で直接的な表現です。
  • go-between
    意味:仲介者、仲立ち。結婚に限らず、様々な交渉や関係の間を取り持つ人を指します。
  • Cupid
    意味:ローマ神話の愛の神キューピッド。比喩的に、恋愛のきっかけを作った人を指します。

「月下氷人」のまとめ – 縁結びの物語

「月下氷人」は、男女の縁を取り持つ仲人を意味する、美しい響きを持つ四字熟語です。
その背景には、運命の赤い糸を操る「月下老人」と、男女の間を取り持つ「氷人」という、中国の二つのロマンチックな物語が秘められています。

現代では「仲人」という言葉の方が一般的ですが、「月下氷人」という言葉を知っていると、結婚を祝う場などで使われた際に、その奥深い意味合いや、縁結びという役割の神秘性、大切さをより深く感じ取ることができるかもしれませんね。
人と人との不思議な繋がりについて、思いを馳せさせてくれる言葉です。

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