金に糸目をつけない

ことわざ
金に糸目をつけない(かねにいとめをつけない)

11文字の言葉か・が」から始まる言葉
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「あの人は欲しいもののためなら、金に糸目をつけないらしいよ」といった会話を聞いたことはありますか?
なんとも景気の良い響きのある言葉ですが、正確にはどのような意味なのでしょうか。

この記事では、「金に糸目をつけない」の意味や由来、使い方、そして関連する言葉などを分かりやすく解説していきます。

「金に糸目をつけない」の意味・教訓

「金に糸目をつけない」とは、物やサービスに対して、値段や費用をまったく気にせずにお金を使うことを意味する慣用句です。

何かを手に入れたい、あるいは目的を達成したいという気持ちが強く、そのためには出費を惜しまない、という状況を表します。金額の制限(=糸目)を設けない、ということです。

単に浪費するというよりは、特定の目的のために気前よく、あるいは大胆にお金を使う様子を指すことが多い表現です。

「金に糸目をつけない」の語源 – 由来を探る

この言葉の「糸目」が何を指すのか、正確な由来は定かではありません。

有力な説としては、凧(たこ)を操る糸や、操り人形の糸のように、物事を制御したり制限したりするもの、つまり「限界」や「制約」の比喩として使われているというものです。

その「糸目(制限)」を「つけない」ことから、「金額を制限しない」「費用を気にしない」という意味で使われるようになったと考えられます。

「金に糸目をつけない」が使われる場面と例文

この慣用句は、以下のような場面で使われます。

  • どうしても欲しいものがあり、値段を気にせず購入する時。
  • 趣味やコレクションに、費用を惜しまずにつぎ込む時。
  • 事業やプロジェクトの成功のために、必要な投資を大胆に行う時。
  • 誰かをもてなしたり、プレゼントしたりする際に、気前よくお金を使う時。

例文

  • 「彼は愛車のカスタムには金に糸目をつけない。」
  • 「子供の教育のためなら、金に糸目をつけないという親は多い。」
  • 「社長は、会社の将来に必要な投資には金に糸目をつけない方針だ。」
  • 「彼女は、友人の誕生日プレゼントを選ぶのに金に糸目をつけず、最高級品を選んだ。」

「金に糸目をつけない」の類義語

  • 湯水のように使う
    意味:お金を、まるで湯や水のように少しも惜しまずに、むやみにたくさん使うこと。
    ニュアンス:「金に糸目をつけない」よりも、浪費や無駄遣いといったネガティブな意味合いで使われることが多い。
  • 奮発する
    意味:思い切って気前よくお金や物を出すこと。
    ニュアンス:普段は節約していても、特別な機会などに「ここぞ」という場面で大きく使う様子。常に糸目をつけないわけではない。
  • 大盤振る舞い
    意味:非常に気前よく、盛大にご馳走したり、物を与えたりすること。
    ニュアンス:特にもてなしや贈り物に関して、気前の良さを強調する言葉。

「金に糸目をつけない」の対義語

  • ケチ
    意味:金銭や物を惜しんで出さないこと。また、そのさまや、そういう人。
    ※ お金を使うことを極端に嫌う点で対照的。
  • 吝嗇(りんしょく):
    意味:極度に物惜しみすること。ケチなこと。
    ※ 「ケチ」をより硬く、強調した表現。
  • 財布の紐が固い(さいふのひもがかたい):
    意味:むやみにお金を使わず、支出を厳しく抑えるさま。
    ※ お金を出すことに対して慎重・消極的な様子を示す。
  • 節約
    意味:無駄遣いをやめて、切り詰めること。
    ※ 目的を持って支出を抑える行為であり、「糸目をつけない」とは逆の行動。
  • 倹約
    意味:無駄を省き、費用を切り詰めて質素にすること。
    ※ 「節約」とほぼ同義だが、より生活態度全体にわたる質素さを指す場合がある。

「金に糸目をつけない」の英語での類似表現

  • spare no expense
    意味:費用を惜しまない。何かを達成するため、あるいは質の高いものを得るために、必要なだけお金を使う状況を表す定型表現。
  • money is no object
    意味:お金は問題にならない。費用が購入や決定の要因にならないほど、資金が潤沢であるか、目的達成の意志が強いことを示す表現。
  • without regard to cost/expense
    意味:費用に関係なく、費用を考慮せずに。

まとめ – 「金に糸目をつけない」使い方と心構え

「金に糸目をつけない」は、目標達成や欲求充足のためなら、費用を度外視してお金を使う様子を表す慣用句です。
そこには、強い意志やこだわり、あるいは並外れた気前の良さが感じられます。

ただし、使う場面や文脈によっては、単なる「浪費家」というネガティブな印象を与えたり、自慢や嫌味に聞こえたりする可能性もあります。
この言葉が持つ豪快さや潔さを理解しつつも、状況に応じた適切な使い方を心がけたいものです。

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