もくじ
「七珍万宝」の意味・語源・由来
意味
七珍万宝とは、数えきれないほど多くの貴重な宝物、非常に多くの珍しい宝物を意味する言葉です。
ただし、この表現は現代の四字熟語としてはあまり一般的ではなく、主に仏教や古典文学の文脈で使われる表現です。
語源・由来
「七珍」は、仏教の経典に登場する七種の宝物を指します。
代表的な例として、『無量寿経』では以下の七種が挙げられています。
- 金(こん):黄金。変わらぬ価値の象徴。
- 銀(ごん):白銀。清浄さの象徴。
- 瑠璃(るり):青色の宝石。ラピスラズリに相当するとされる。
- 玻璃(はり):水晶のこと。
- 硨磲(しゃこ):シャコガイの貝殻。または白い珊瑚のこと。
- 珊瑚(さんご):赤い珊瑚。
- 瑪瑙(めのう):縞模様のある美しい石。
※ 仏教経典によって「七珍」の内容は異なります。
たとえば、『法華経』などでは「七宝(しっぽう)」として記述され、真珠や赤珠が含まれることもあります。
「七珍万宝」の使い方(例文)
- 「王宮の宝物庫には、七珍万宝が収められていると言われている。」
- 「彼女のコレクションは、まさに七珍万宝と呼ぶにふさわしい。」
- 「その島には、七珍万宝が眠っているという伝説がある。」
- 「古美術商の店内は、七珍万宝が所狭しと並べられ、見る者を圧倒した。」
- 「歴史博物館の特別展では、七珍万宝と称される古代の装飾品が展示された。」
「七珍万宝」の類義語
- 金銀財宝(きんぎんざいほう):金、銀をはじめとする様々な財宝。
- 珠玉(しゅぎょく):美しい玉。転じて、貴重なもののたとえ。
- 金玉満堂(きんぎょくまんどう):金や玉が家中に満ちている様子。富や才能が豊かであることのたとえ。
(※文脈によっては類語として使用可能)
「七珍万宝」の対義語
- 無一物(むいちもつ):何も持たないこと。
- 空無(くうむ):完全に空であること。
- 瓦礫(がれき):価値のないもののたとえ。
使用上の注意点
「七珍万宝」は、非常に多くの貴重な宝物を指す言葉であり、日常会話で使われることはあまりありません。
やや古風で文語的な表現なので、使う場面を選ぶ言葉と言えるでしょう。
「七珍万宝」に類似した英語表現
Countless treasures
直訳:数えきれない宝物
意味:非常に多くの宝物
例文:
The museum is home to countless treasures from ancient civilizations.
(その博物館には、古代文明の数えきれないほどの宝物が収蔵されています。)
Treasures galore
意味:たくさんの宝物
例文:
The pirate’s cave was filled with treasures galore.
(海賊の洞窟はたくさんの宝物でいっぱいだった。)
まとめ
「七珍万宝」は、数えきれないほどの貴重な宝物を意味する言葉ですが、現代の四字熟語としてはあまり一般的ではなく、主に仏教や古典の文脈で用いられる表現です。
「七珍」の内容は仏教経典によって異なり、「七宝」として記されることもあります。
類義語や英語表現を知ることで、より深い理解ができるでしょう。
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