秋茄子は嫁に食わすな

ことわざ
秋茄子は嫁に食わすな(あきなすびはよめにくわすな)

13文字の言葉」から始まる言葉
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意味

「秋茄子は嫁に食わすな」とは、美味しい秋茄子を嫁に食べさせるのはもったいない、という意味のことわざです。この言葉には、いくつかの解釈があります。

  1. 嫁いびり説:姑が嫁をいびるために使われた言葉で、「美味しいものを嫁には食べさせたくない」という意味だとする説。
  2. 嫁の体を気遣う説
    • 秋茄子は体を冷やすため、大切な嫁の健康を考え、食べさせないほうがよいとする説。
    • 秋茄子には種が少ないため、「子宝に恵まれにくい」という迷信があり、これを気にして嫁に食べさせるのを避けたという説。

これらの解釈は、時代や地域、家庭環境によって異なり、どれが正解とは断定できません。

語源・由来

「秋茄子は嫁に食わすな」の正確な初出は不明ですが、江戸時代にはすでに使われていたと考えられています。

茄子はインド原産で、日本には奈良時代に伝わりました。江戸時代には庶民にも広まり、特に秋茄子は夏茄子に比べて味が良いとされ、珍重されました。

使用される場面と例文

「秋茄子は嫁に食わすな」は、現代では嫁姑関係を直接示すものとして使われることはほとんどありません。
しかし、比喩的に「価値のあるものを惜しむ」「良いものを簡単に他人に与えたくない」という意味で用いられることがあります。

例文

  • 「あの高級ワイン、彼に開けるのは秋茄子は嫁に食わすなって感じだな。」
  • 「せっかく苦労して手に入れた情報、ライバル会社に教えるなんて、秋茄子は嫁に食わすなだよ。」

注意点

  • ことわざの本来の意味(嫁いびりや嫁の健康を気遣う意味)で使うことは、現代では適切でない場合があります。
  • 文脈によっては女性差別と受け取られる可能性があるため、使う際には注意が必要です。

類義語

  • 出し惜しみする:「人に良いものを与えたくない」という意味で使われる。

関連する食文化の概念

  • 五味五色(ごみごしょく): 日本料理の基本概念で、五つの味覚(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)と五つの色(青、黄、赤、白、黒)をバランスよく取り入れること。

対義語

  • 猫に小判:価値のわからない者に高価なものを与えても無駄であること。
  • 豚に真珠:価値のわからない者に高価なものを与えても無駄であること。
  • 馬の耳に念仏:いくらありがたい教えを聞かせても、無駄であること。

いずれも「価値のあるものを、価値のわからない人に与えても無駄」という意味であり、「秋茄子は嫁に食わすな」の”出し惜しみ”の意味とは対照的です。

英語表現(類似の表現)

  • Don’t cast your pearls before swine.
    意味:豚に真珠を与えるな。価値のわからない者に貴重なものを与えても無駄だ、という意味です。
    (上記の対義語に相当)
  • To hide one’s light under a bushel.
    意味:才能や能力を隠して、世間に知らせないこと。
    (文脈によっては、「秋茄子は嫁に食わすな」の類義語となりえます。)

まとめ

「秋茄子は嫁に食わすな」は、元々は嫁いびりや健康を気遣う意味を持つことわざですが、現代では「価値のあるものを惜しむ」という比喩表現として使われることが多くなっています。

ただし、文脈によっては誤解を招く可能性があるため、適切な場面で使用するよう注意が必要です。

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