清廉潔白

四字熟語
清廉潔白(せいれんけっぱく)

8文字の言葉せ・ぜ」から始まる言葉
スポンサーリンク

意味・教訓 – 心清く、私欲がなく、後ろ暗いところがないこと

「清廉潔白」とは、心が清らかで私欲がなく(清廉)、行いがきれいで、やましいところや後ろ暗い点が全くない(潔白)さまを表す四字熟語です。

不正やごまかしとは無縁で、どこから見ても公明正大、誠実で、道徳的に非の打ちどころがない人物や、そのあり方を指します。
特に、金銭に関して潔癖で、賄賂や不正な利益とは無縁である、というニュアンスで使われることも多いです。

この言葉は、高い倫理観と、私利私欲にとらわれない高潔な人格に対する、深い尊敬や信頼の念を表します。

語源・由来 – 清らかで廉(ただ)しく、潔(いさぎよ)く白い

「清廉潔白」は、「清廉」と「潔白」という、共に清らかさや正しさを表す二つの言葉を重ねて、その意味を強調しています。

  • 清廉(せいれん):「清」は、きよい、けがれがないこと。「廉」は、欲が深くなく、行いが正しいこと、いさぎよいこと。合わせて、心が清らかで、私欲がなく、行いが正しいさま。
  • 潔白(けっぱく):「潔」は、きよい、けがれがないこと。「白」は、色が白いこと、転じて、汚れがないこと、無罪であること。合わせて、心や行いがきよく正しく、後ろ暗いところがないさま。無実であること。

つまり、「清らかで私欲がなく正しい(清廉)」上に、「汚れがなく潔い(潔白)」という意味が合わさり、「どこまでも清く正しく、一点の曇りもない」という、極めて高い道徳性や潔癖(けっぺき)さを表す言葉となりました。
古くから、為政者や役人に求められる理想的な徳目(とくもく)の一つとして、中国の古典などで説かれてきました。

使用される場面と例文 – 高潔な人物や潔白の証明に

「清廉潔白」は、私利私欲がなく、不正とは無縁な政治家や役人、あるいは高い倫理観を持つ人物を称賛する際に使われます。
また、疑いをかけられた際に、自身の無実や潔白さを主張する文脈で用いられることもあります。

例文

  • 「彼は清廉潔白な人柄で知られ、多くの人々から尊敬を集めている。」
  • 清廉潔白をモットーとする彼女が、不正に関与するはずがない。」
  • 「調査の結果、彼の清廉潔白が証明された。」
  • 「政治家には、何よりもまず清廉潔白であることが求められる。」

類義語 – 似た意味を持つ言葉

  • 公明正大(こうめいせいだい):隠し立てがなく公平で、良心に恥じるところなく正しいこと。
    「清廉潔白」と似ていますが、「公明正大」は特に公平さや、隠し事がないオープンな態度に重点があります。
  • 廉潔(れんけつ):私欲がなく、心が清らかで正しいこと。特に、金銭に関して潔癖なこと。
    「清廉」とほぼ同義で、不正な利益を求めない、高潔さを指します。
  • 潔癖(けっぺき):不正や不潔を極度に嫌うこと。また、そのさま。
    清らかさを求める点は共通しますが、度が過ぎて融通がきかない、といったニュアンスで使われることもあります。

対義語 – 反対の意味を持つ言葉

  • 汚職:公的な地位や職権を利用して、不正な利益を得たり、与えたりすること。
    ※ 清廉潔白とは真逆の、不正で腐敗した行為。
  • 不正:正しくないこと。道義にはずれること。
    ※ 公正さや正しさがない状態。
  • 悪徳:道徳に背(そむ)く、よこしまな心や行い。
    ※ 高潔さとは対極にある、不道徳な性質や行為。
  • 私利私欲:自分の利益や欲望だけを考えて行動すること。
    ※ 私欲がない「清廉」とは正反対の、自己中心的な動機。

英語での類似表現 – 清く正しい様

  • impeccably honest and upright
    意味:非の打ちどころなく正直で、品行方正な。
    道徳的な正しさや誠実さを強調します。
  • integrity and purity
    意味:誠実さと清らかさ。高潔さと純粋さ。
    「清廉」と「潔白」が持つ二つの側面を表します。
  • incorruptible
    意味:買収されない、腐敗しない、清廉な。
    特に、金銭や権力による不正とは無縁であることを強調します。
  • clean-handed
    意味:手が汚れていない、不正をしていない、潔白な。
    不正行為に関与していないことを示す表現です。
  • pure and innocent
    意味:清らかで無垢(むく)な、潔白な。
    「潔白」のニュアンスに近い、汚れのない状態を表します。

使用上の注意点 – 高い道徳性の証明として

「清廉潔白」は、非常に高いレベルの道徳性、誠実さ、そして潔白さを表す言葉です。
人に対して使う場合は、最大級の称賛であり、その人物への深い信頼を示すことになります。

疑いをかけられた人が自身の潔白を主張する際にも使われますが、その場合は、客観的な証拠などによって裏付けられる必要があります。
安易に使うと、かえって信頼性を損なう可能性もあるため、言葉の持つ重みを理解して用いることが大切です。

まとめ

「清廉潔白」とは、心は清らかで私利私欲とは無縁であり(清廉)、その行いは一点の曇りもなく潔い(潔白)、そんな理想的な人格やあり方を表す四字熟語です。

それは、まるで磨き上げられた白い玉(ぎょく)のように、どこまでも清らかで、一点の汚れもない、道徳的な美しさを感じさせます。

この言葉は、特に公的な立場にある人に求められる、高い倫理観や誠実さの重要性を教えてくれます。
また、私たち自身も、日々の生活の中で、できる限り「清廉潔白」でありたいと願う、その道徳的な指針を示してくれるのかもしれませんね。

コメント