「無理が通れば道理引っ込む」の意味・語源・由来
意味
「無理が通れば道理引っ込む」とは、道理に合わないことや、筋の通らないことがまかり通ってしまうと、正しいことや正論が通用しなくなる、という意味のことわざです。
権力や圧力によって、正義が抑圧されるような社会状況を批判する意味合いも含まれます。
語源・由来
このことわざの由来ははっきりとはしていませんが、古くから、権力や暴力によって正義が捻じ曲げられることは、しばしば見られる現象でした。
「無理」は、道理に合わないこと、強引なこと。「道理」は、物事の正しい筋道、正論。
「引っ込む」は、表舞台から退く、通用しなくなることを意味します。
このことわざは、そのような社会の不条理を端的に表現したものです。
「無理が通れば道理引っ込む」の使い方(例文)
- 「社長の息子というだけで、無能な彼が出世するのは、無理が通れば道理引っ込むの典型だ。」
- 「政治家の圧力で、不正が見逃されるなんて、無理が通れば道理引っ込む世の中だ。」
- 「多数派の意見ばかりが尊重され、少数派の意見が無視されるのは、無理が通れば道理引っ込むのと同じだ。」
- 「声の大きい人の意見ばかりが通って、正しい意見が通らない、無理が通れば道理引っ込むような状況は改善すべきだ。」
- 「いじめっ子がのさばり、真面目な子が損をするなんて、まさに無理が通れば道理引っ込むだ。」
注意! 間違った使い方
個人的なわがままが通って、相手が折れたような場面で使うのは誤用です。
あくまで、社会的な正義が失われる状況に対して使います。
「無理が通れば道理引っ込む」の類義語
類義語(ことわざ・慣用句)
- 長い物には巻かれろ:権力や勢力のある者には、逆らわないほうが得策であるということ。
- 泣く子と地頭には勝てぬ:道理の通じない相手には、かなわないということ。
- 寄らば大樹の陰:どうせ頼るなら、勢力のある人のほうがよいということ。
関連する概念・心理
- 不条理、不公平:「理不尽」「矛盾」「不平等」
- 権力、圧力:「強権」「横暴」「威圧」
- 正義、道理:「正論」「倫理」「道徳」
「無理が通れば道理引っ込む」の対義語
使用上の注意点
「無理が通れば道理引っ込む」は、社会的な不正や不条理を批判する際に使うことわざです。
個人的な不満やわがままを通すために使うのは適切ではありません。
「無理が通れば道理引っ込む」に類似した英語表現
Might makes right.
直訳:力は正義なり。
意味:権力や腕力のある者が、正義であるかのように振る舞うこと。(「無理が通れば道理引っ込む」に非常に近い)
例文:
In that country, might makes right. The strong do whatever they want.
(あの国では、無理が通れば道理引っ込む。強い者がやりたい放題だ。)
Power corrupts.
直訳:権力は腐敗する。
意味:権力は人を堕落させる。(「無理が通れば道理引っ込む」の背景にある権力腐敗の概念を表す)
例文:
Absolute power corrupts absolutely.
(絶対的な権力は、絶対的に腐敗する。)
The end justifies the means.
直訳:目的は手段を正当化する。
意味:目的のためには手段を選ばない。(結果として「無理が通る」状況を肯定する考え方)
Winner takes all.
直訳:勝者が全てを手に入れる。
意味:競争社会において、勝者が全てを得て、敗者は何も得られない。(「無理が通る」状況の一側面を表す)
まとめ
「無理が通れば道理引っ込む」は、権力や圧力によって正義が抑圧され、不条理がまかり通る社会状況を批判することわざです。
この言葉は、私たちに、常に正義を追求し、不正に屈しないことの大切さを教えてくれます。
「無理が通れば道理引っ込む」ような社会にならないためには、一人ひとりが声を上げ、行動することが重要です。
権力や圧力に屈せず、道理を貫く勇気を持つことが、より良い社会を築くための第一歩となるでしょう。
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