惚れた病に薬なし

ことわざ
惚れた病に薬なし(ほれたやまいにくすりなし)

12文字の言葉ほ・ぼ・ぽ」から始まる言葉
スポンサーリンク

「惚れた病に薬なし」の意味・語源・由来

意味

惚れた病に薬なしとは、恋の病には治療薬がない、という意味のことわざです。
誰かに恋をしてしまうと、理性や常識では抑えられないほど夢中になってしまい、周りの意見や忠告も耳に入らなくなる、という状態を表しています。

恋煩い(こいわずらい)は、古くから、病気の一種のように考えられてきました。
このことわざは、恋の病は、どんな薬も効かないほど、治すのが難しい、ということを表しています。

語源・由来

「惚れた病に薬なし」の正確な語源は不明です。
しかし、古くから、恋心を病気に例える表現は、多くの文化圏で見られます。

日本語では、「恋煩い」「恋の病」といった言葉が、古くから使われてきました。
これらの言葉からも、恋心が、理性ではコントロールできない、一種の病のようなものとして捉えられていたことがわかります。

「惚れた病に薬なし」は、そうした人々の経験則から生まれたことわざと考えられます。
具体的な書物や人物に由来するというよりも、人々の間で自然に発生し、語り継がれてきた言葉と言えるでしょう。

「惚れた病に薬なし」の使い方(例文)

  • 彼は彼女に夢中で、周りの忠告も全く聞かない。まさに、惚れた病に薬なし、だ。
  • 彼女は、恋人に貢いでばかりいる。惚れた病に薬なしというけれど少し心配だ。
  • どんなに反対されても、彼を諦めることはできない。惚れた病に薬なし、とはこのことだ。
  • 若い頃は、惚れた病に薬なし、で周りが見えなくなることもあった。

注意! 間違った使い方

このことわざは、基本的には誤用されにくいですが、以下のような使い方は不適切です。

  • 体調が悪い人に、「惚れた病に薬なし」と言う。
    (恋の病ではないので不適切)

「惚れた病に薬なし」の文学作品などの用例

恋をテーマにした文学作品は数多く、「惚れた病に薬なし」の概念に通じる描写はたくさんあります。

  • 『源氏物語』:
    光源氏の数々の恋愛遍歴は、まさに「惚れた病に薬なし」を体現していると言えるでしょう。
  • 『ロミオとジュリエット』:
    周りから反対されても、お互いへの愛を貫く姿が描かれています。

「惚れた病に薬なし」の類義語

  • 恋は盲目(こいはもうもく):恋をすると、理性や常識を失い、周りが見えなくなること。
  • 痘痕も靨(あばたもえくぼ):惚れてしまうと、欠点さえも魅力的に見えること。
  • 恋は思案の外(こいはしあんのほか):恋は理屈では割り切れないものであること。

「惚れた病に薬なし」の対義語

このことわざに明確な対義語はありません。
「恋に冷静であること」や、「理性的に判断すること」を表す言葉が、対照的な意味合いを持つと言えるでしょう。

  • 理性:感情に左右されず、物事を冷静に判断する能力。
  • 分別:物事の道理をわきまえること。

使用上の注意点

「惚れた病に薬なし」は、恋の盲目さを表すことわざですが、相手に迷惑をかけたり、自分を傷つけたりするような恋は、肯定されるべきではありません。
このことわざを、盲目的な恋を正当化するために使うべきではありません。

「惚れた病に薬なし」の英語表現

Love is blind.

恋は盲目。 「惚れた病に薬なし」に相当する、英語のことわざです。

例文: He doesn’t seem to notice her flaws. Love is blind, I guess.
(彼は彼女の欠点に気づいていないようだ。惚れた病に薬なし、だな。)

Love has no reason.

恋に理由はない。 恋は理屈では説明できない、という意味です。

Love makes the world go round.

愛は世界を回す。 (少し大げさな表現ですが、恋の力を表す際に使われます。)

まとめ

「惚れた病に薬なし」は、恋の病には治療薬がない、という意味のことわざです。
恋をすると、理性や常識では抑えられないほど夢中になってしまう、という人間の心理を表しています。
このことわざを理解しつつも、盲目的な恋に陥らないように、注意することも大切です。

コメント