「焼け石に水」の意味・語源・由来
意味
焼け石に水とは、わずかなもので、効果がないことのたとえです。
熱く焼けた石に少量の水をかけても、すぐに蒸発してしまい、何の効果もない、という状況を表しています。
援助や努力が少なすぎて、何の役にも立たない、という意味合いで使われます。
また、一時しのぎにしかならない、という意味合いも含まれます。
語源・由来
「焼け石に水」の語源は、文字通り、熱く焼けた石に水をかける様子から来ています。
焼け石に少量の水をかけても、すぐに蒸発してしまい、石を冷ますことはできません。
この現象を、効果のないわずかな努力や援助に例えたのが、このことわざです。
具体的な文献や人物に由来するというよりも、人々の生活の中での経験則から生まれたことわざと考えられます。
江戸時代には、このことわざが広く使われていたことが確認されています。
「焼け石に水」の使い方(例文)
- この広大な砂漠を緑化するには、これだけの水では焼け石に水だ。
- 彼女の悲しみは深く、どんな慰めの言葉も焼け石に水だった。
- 今さら謝っても、焼け石に水だ。もう遅すぎる。
- この程度の努力では、焼け石に水だ。もっと頑張らなければ。
「焼け石に水」の類義語
- 杯水車薪(はいすいしゃしん):一杯の水で、燃えている車一台分の薪の火を消そうとする。わずかなもので、効果がないことのたとえ。
- 雀の涙(すずめのなみだ):ごくわずかなもののたとえ。
- 九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう):多くのものの中の、ほんのわずかで、取るに足りないもののたとえ。
- 大海の一滴(たいかいのいってき):広大な海の中の一滴の水のこと。
「焼け石に水」の対義語
このことわざに明確な対義語はありません。
「効果が大きいこと」や、「十分な量があること」を表す言葉が、対照的な意味合いを持つと言えるでしょう。
- 潤沢:十分にあって、余裕があること。
- 豊富:たくさんあること。
使用上の注意点
「焼け石に水」は、努力や援助を否定する言葉ではありません。
しかし、「どうせ無駄だ」という諦めの気持ちを表す際に使われることもあります。 状況に応じて、このことわざを使うべきかどうか、慎重に判断することが大切です。
「焼け石に水」の英語表現
A drop in the bucket.
バケツの中の一滴。(直訳)
「焼け石に水」に相当する、英語のことわざです。
例文: The money we raised is just a drop in the bucket compared to what we need.
(私たちが集めたお金は、必要な額に比べれば、焼け石に水だ。)
A drop in the ocean.
大海の一滴。(直訳)
上記の 「A drop in the bucket」とほぼ同じ意味です。
Too little, too late.
少なすぎるし、遅すぎる。 「焼け石に水」の状況を表す際に使われることがあります。
まとめ
「焼け石に水」は、わずかなもので、効果がないことのたとえです。
熱く焼けた石に少量の水をかけても、すぐに蒸発してしまう、という状況を表しています。
この言葉を理解し、効果的な努力や援助をするためにはどうすれば良いか、考えることが大切です。
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