「糠に釘」の意味・語源・由来
意味
「糠に釘」とは、糠に釘を打っても手ごたえがないように、全く効果がないこと、効き目がないことのたとえです。
いくら努力しても、無駄な骨折りになることを意味します。
また、反応がないこと、手ごたえがないことのたとえとしても使われます。
語源・由来:
糠は、玄米を精米する際に出る、果皮や胚芽などの粉状の部分です。
柔らかく、ふわふわしているため、釘を打っても全く抵抗がなく、すぐに抜けてしまいます。
しっかりと固定することができません。
この様子から、いくら力を加えても効果がないこと、無駄な努力をすることのたとえとして使われるようになりました。
「糠に釘」の使い方(例文)
- 「何度意見しても、彼には糠に釘で、全く変わる様子がない。」
- 「彼女のダイエットを手伝っているが、糠に釘で効果が出ない。」
- 「あのチームに何度提案しても、糠に釘だ。」
- 「不景気な時に、いくら広告を打っても糠に釘かもしれない。」
- 「いくら説得しても無駄だった。糠に釘とはこのことだ。」
注意! 間違った使い方
- 「彼のパンチは糠に釘の威力だった。」(誤用)
「糠に釘」は効果がないことを意味するので、威力があるという文脈では使いません。この場合は、「強烈な威力」など別の表現を使うべきです。
「糠に釘」の文学作品などの用例
幸田露伴の『ひげ男』の一節
併しお增には糠に釘の挨拶
「糠に釘」の類義語
- 暖簾に腕押し:力を入れても手ごたえがなく、張り合いがないこと。
- 焼け石に水:わずかなもので、効果がないこと。
- 豆腐にかすがい:柔らかい豆腐にかすがいを打ち込んでも意味がないように、効果がないことのたとえ
「糠に釘」の対義語
- 雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ):小さな力でも、根気よく続ければ成果が得られること。
- 点滴石を穿つ(てんてきいしをうがつ):小さな力でも、根気よく続ければ成果が得られること。
使用上の注意点
「糠に釘」は、努力しても効果がない、無駄であるという意味を表すことわざです。
ネガティブな意味合いを持つため、使う場面には注意が必要です。
また、相手の努力を否定するような文脈で使うと、失礼にあたる可能性があるので気をつけましょう。
「糠に釘」の英語表現
Like nailing jelly to a wall
直訳:ゼリーを壁に釘で打ち付けるようなもの
意味:全く無駄なこと、不可能なこと
例文:
Trying to get him to change his mind is like nailing jelly to a wall.
(彼の考えを変えさせようとするのは、糠に釘(ゼリーを壁に釘で打ち付けるよう)だ。)
Flogging a dead horse
直訳:死んだ馬に鞭を打つ
意味: 無駄な努力をする
例文:
Trying to get that old car started is like flogging a dead horse.
(あの古い車を動かそうとするのは、糠に釘(死んだ馬に鞭を打つよう)だ。)
まとめ
「糠に釘」は、全く効果がないこと、無駄な努力をすることのたとえです。
柔らかい糠に釘を打っても手ごたえがないことから生まれたことわざです。
類義語や英語表現も参考に、状況に応じて適切な言葉を選びましょう。
コメント