「歯に衣着せぬ」の意味・語源・由来
意味
遠慮せず、思ったままをはっきりと相手に言うこと。
包み隠さず、率直に表現すること。
相手への配慮や遠慮をせず、ストレートに物を言う様子を表します。
語源・由来:
「歯に衣着せぬ」は、文字通りには「歯に衣服を着せない」という意味です。
口から出る言葉、つまり歯をむき出しにする、言葉を選ばずに言う、という様子を表しています。
言葉を飾ったり、オブラートに包んだりせず、ありのままを表現するという意味合いが込められています。
古くから使われている表現で、具体的な由来を示す文献は特定されていませんが、言葉のイメージから意味が理解できる慣用句です。
「歯に衣着せぬ」の使い方(例文)
- 彼は歯に衣着せぬ物言いで、上司にも意見をはっきりと言う。
- 彼女の歯に衣着せぬ批評は、時に辛辣だが的を射ている。
- 歯に衣着せぬ発言は、誤解を招くこともあるので注意が必要だ。
注意! 間違った使い方
- 彼は、相手の気持ちを考えず、ただ歯に衣着せぬ暴言を吐くだけだ。
(「歯に衣着せぬ」は、単なる暴言や悪口を言うことではありません。あくまで、思ったことを率直に言うという意味合いです。)
「歯に衣着せぬ」の類義語
- 単刀直入:回りくどい言い方をせず、すぐに要点をつくこと。
- ずばり:遠慮なく、核心を突いて言うさま。
- 率直:飾らず、ありのままを言うこと。
- 開けっ広げ:隠し立てをせず、すべてをさらけ出すこと。
- ストレート:遠回しでなく、直接的なさま。
「歯に衣着せぬ」の対義語
- 奥歯に物が挟まったよう: 言いたいことをはっきり言わず、何か含みのある言い方をする様子。
- 婉曲: 表現が穏やかで遠回しなこと。
- オブラートに包む: 直接的な表現を避け、穏やかな言い方で伝えること。
使用上の注意点
「歯に衣着せぬ」言い方は、状況によっては相手を傷つけたり、不快にさせたりする可能性があります。
相手との関係性や状況を考慮して、適切な表現を選ぶことが大切です。
特にビジネスシーンや目上の人に対して使う場合は、注意が必要です。
「歯に衣着せぬ」の英語表現
Speak frankly [plainly]
直訳:率直に話す
意味:遠慮せずに、ありのままを言う。
例文:
I’ll speak frankly with you.
(あなたには率直に話します。)
Not mince (one’s) words
直訳:言葉を刻まない
意味:遠慮せずに、はっきりと言う。
例文:
He does not mince his words.
(彼は歯に衣着せぬ物言いをする。)
Call a spade a spade.
直訳: スペードをスペードと呼ぶ。
意味:物事をありのままに言う。
例文:
Let’s call a spade a spade. The project failed because of his mistakes.
(はっきり言わせてもらおう。このプロジェクトが失敗したのは彼のミスが原因だ。)
まとめ
「歯に衣着せぬ」は、遠慮せずに思ったことをはっきりと言うことを意味する慣用句です。
率直な意見は、時に重要ですが、相手や状況によっては、表現を工夫することも大切です。
類語や対義語、英語表現も参考に、場面に応じた適切な言葉遣いを心がけましょう。
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