馬の耳に風

ことわざ 慣用句
馬の耳に風(うまのみみにかぜ)

8文字の言葉」から始まる言葉
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「馬の耳に風」の意味・語源・由来

意味

「馬の耳に風」とは、馬が耳に風を受けてもすぐに忘れてしまうように、人の意見や忠告を聞いても、すぐに忘れてしまい、全く心に留めないことのたとえです。
少しの間だけ心に留めても、すぐに聞き流してしまうような場合にも使われます。

語源・由来:

馬は耳が大きい動物ですが、風が吹いても特に気に留めることなく、すぐに忘れてしまいます。
この様子から、人の話を聞いてもすぐに忘れてしまう、心に留めないことのたとえとして使われるようになりました。
「馬の耳に風」は、中国の詩人・李白の詩「答王十二寒夜独酌有懐(王十二の寒夜独酌懐い有るに答う)」の中にある「世人聞此皆掉頭、有如東風射馬耳(世人此を聞いて皆頭を掉う、東風の馬耳を射るが如き有り)」が元になったとされています。
「東風射馬耳」は「馬耳東風」の元になった言葉です。

「馬の耳に風」の使い方(例文)

  • 「何度説明しても、彼には馬の耳に風で、同じミスを繰り返す。」
  • 「親の言うことを、いつも馬の耳に風と聞き流している。」
  • 「せっかくの忠告も、彼女には馬の耳に風だったようだ。」
  • 「上司のアドバイスを馬の耳に風と聞き流して、後悔した。」
  • 「何度注意しても、馬の耳に風なんだから、もう諦めるしかない。」

注意! 間違った使い方

  • 「彼の記憶力は馬の耳に風で、何でもよく覚えている。」(✕ 誤用)
    「馬の耳に風」はすぐに忘れるという意味なので、記憶力が良いという意味では使いません。

「馬の耳に風」の類義語

  • 馬耳東風:人の意見や批評を全く気にかけないこと。
  • 蛙の面に水:どんな仕打ちを受けても平気でいること。(類義語というより、近い状況を表す言葉)
  • どこ吹く風:全く気にしない様子。

「馬の耳に風」の対義語

  • 心に留める:しっかりと覚えておくこと。
  • 肝に銘じる:心に深く刻み込んで忘れないこと。
  • 傾聴する

使用上の注意点

「馬の耳に風」は、人の話を聞き流す、心に留めないという意味を表すことわざです。
相手に対して直接使うと、失礼にあたる可能性があります。
使う場面や相手には注意しましょう。

「馬の耳に風」の英語表現

In one ear and out the other

直訳:片方の耳から入って、もう片方の耳から出ていく
意味:すぐに忘れてしまう、聞き流す

例文:
I told him not to do it, but it went in one ear and out the other.
(彼にそれをするなと言ったが、馬の耳に風だった。)

Like water off a duck’s back

直訳:アヒルの背中から落ちる水のよう
意味: 何の影響も受けない

例文:
Criticism rolls off him like water off a duck’s back.
(批判は彼にとって、馬の耳に風(アヒルの背中から落ちる水)のようだ。)

まとめ

「馬の耳に風」は、人の意見や忠告を聞いてもすぐに忘れてしまう、心に留めないことのたとえです。
類義語の「馬耳東風」と合わせて覚えておくと、表現の幅が広がります。
相手に使う際は、失礼にならないように注意しましょう。

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