水を得た魚

ことわざ
水を得た魚(みずをえたうお)

7文字の言葉」から始まる言葉
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「水を得た魚」の意味・語源・由来

意味

自分に合った環境や活躍の場を得て、生き生きと活動する様子を表すことわざです。
水から出された魚は生きていけませんが、水に戻れば元気に泳ぎ回ることから、この表現が生まれました。
能力や才能を十分に発揮できる状況になり、力を存分に振るう様子を指します。
単に得意なことをするだけでなく、待ち望んでいた機会を得て、活気を取り戻すというニュアンスも含まれます。

語源・由来

このことわざは、魚が水中で自由に泳ぎ回る様子から生まれた表現です。
魚にとって水は不可欠なものであり、水中でこそ本来の力を発揮できます。
この自然な関係性を、人間の能力や才能が発揮される状況に例えたものです。
中国の歴史書『三国志』蜀書・諸葛亮伝に由来するという説が一般的ですが、それ以前から同様の表現は存在したと考えられています。
『三国志』では、劉備が諸葛孔明を軍師として迎え入れた際の喜びを表す言葉として使われています。

孤の孔明有るは、猶お魚の水有るがごとし
(私にとって孔明がいることは、魚に水があるようなものだ)

「水を得た魚」の使い方(例文)

  • 「彼女は、得意な語学を活かせる仕事に就き、水を得た魚のように活躍している。」
  • 「そのチームは、新しいリーダーを迎えて、水を得た魚のように活気づいた。」
  • 「彼は、長年温めてきた企画を実行に移し、水を得た魚のように才能を発揮した。」
  • 「ベテラン選手は、新監督の戦術にフィットし、水を得た魚のような動きを見せた。」

「水を得た魚」の類義語

  • 生き馬の目を抜く(いきうまのめをぬく): 非常にすばやく行動すること。
  • 活き活き(いきいき)とする:生命力に満ち溢れている様子。
  • 如水(じょすい)の魚(うお):水と魚のように、切り離すことのできない関係。
  • 龍が雲を得る(りゅうがくもをえる): すぐれた者が機会を得て、才能を発揮すること。

「水を得た魚」の対義語

明確な対義語はありませんが、反対の意味を表す言葉としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 陸に上がった河童(おかにあがったかっぱ): 得意な分野や場所を離れて、力を発揮できないことのたとえ。
  • 飼い犬に手を噛まれる(かいいぬにてをかまれる): 日ごろから面倒をみていた相手に裏切られること。
  • 宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ): 役に立つものを持ちながら、それを活用しないこと。

使用上の注意点

「水を得た魚」は、非常にポジティブな意味を持つことわざです。
そのため、相手を褒める場合や、状況が好転したことを表す場合に使うのが適切です。
ただし、自画自賛するような文脈で使うと、嫌味に聞こえる可能性があるので注意が必要です。

「水を得た魚」の英語表現

Like a fish in water

意味:ことわざの直訳的な表現で、英語圏でもよく使われます。

例文:
He’s like a fish in water in his new job.
(彼は新しい仕事で水を得た魚のようだ。)

In one’s element

意味:自分の得意な分野、環境にいること。

例文:
“She’s in her element when she’s performing on stage.”
(彼女は舞台で演技をしているとき、水を得た魚のようだ。)

Thrive

意味:(環境などが合っていて)成功する、繁栄する

例文:
He is really thriving in his business.
(彼のビジネスは非常に上手くいっている。)

まとめ

「水を得た魚」は、自分に合った環境や活躍の場を得て、生き生きと活動する様子を表すことわざです。
ポジティブな意味合いで使われることが多く、ビジネスシーンやスポーツなど、さまざまな場面で活用できます。
類義語や英語表現も参考に、状況に応じて適切に使い分けましょう。

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