飛んで火に入る夏の虫

ことわざ
飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし)

12文字の言葉と・ど」から始まる言葉
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「飛んで火に入る夏の虫」の意味・語源・由来

意味

夏の夜、虫が光に誘われて火に飛び込み、自ら命を落とす様子から転じたことわざです。
自ら進んで危険や破滅に飛び込んでいくこと、また、そのような愚かな行為をする人を指します。
目前の利益や誘惑に目がくらみ、結果的に破滅を招く行動をとることのたとえとしても使われます。

語源・由来

夏の夜、灯火に多くの虫が集まってくる光景は、古くからよく知られています。
虫は、明るい光に引き寄せられる習性(走光性)を持っていますが、火に近づきすぎると当然焼け死んでしまいます。
この様子が、目先の利益や快楽に飛びつき、危険を顧みない人間の愚かさを表すことわざとして用いられるようになりました。

「飛んで火に入る夏の虫」の使い方(例文)

  • 「彼は、高利回りの投資話に乗り、飛んで火に入る夏の虫となってしまった。」
  • 「危険な場所だと知りながら、好奇心から足を踏み入れるのは、飛んで火に入る夏の虫と同じだ。」
  • 「甘い言葉に誘われて、悪事に手を染めるなんて、飛んで火に入る夏の虫だ。」
  • 「彼女は、忠告を無視して、飛んで火に入る夏の虫のように危険な恋に走った。」
  • 「冷静さを欠いた行動は、飛んで火に入る夏の虫になりかねない。」

注意! 間違った使い方

  • 「彼は、飛んで火に入る夏の虫のように、勇敢に敵に立ち向かった。」 (✕ 誤用)
    ※「飛んで火に入る夏の虫」は、無謀で愚かな行動を指すことわざであり、勇敢さを表す言葉ではありません。

「飛んで火に入る夏の虫」の類義語

類義語(ことわざ・慣用句)

  • 自業自得:自分の行いの結果として、自分自身が苦しみや災いを受けること。
  • 身から出た錆:自分の犯した悪行が原因で、自分が苦しむこと。
  • 墓穴を掘る:自分で自分の破滅の原因を作ること。
  • 破滅への道:自らを滅ぼすことになる道。

関連する概念・心理

このことわざは、「誘惑」や「危険」に対する人間の脆さを表しています。以下の言葉も関連性が高いです。

  • 誘惑に負ける:「欲望」「衝動」「魔が差す」
  • 危険を顧みない:「無謀」「軽率」「後先を考えない」
  • 破滅に向かう:「自滅」「転落」「身を滅ぼす」

「飛んで火に入る夏の虫」の対義語

使用上の注意点

「飛んで火に入る夏の虫」は、相手の行動を非難したり、愚かさを指摘したりする際に使われることが多い言葉です。
軽はずみな行動を慎むよう忠告する際に使うこともできますが、使い方によっては相手を傷つける可能性があるので注意が必要です。

「飛んで火に入る夏の虫」に類似した英語表現

like a moth to a flame

意味: 火に引き寄せられる蛾のように。

例文:
He was drawn to her like a moth to a flame.
(彼は火に引き寄せられる蛾のように彼女に惹かれた。)

play with fire

意味: 火遊びをする、危険なことをする。

例文:
If you keep lying to your boss, you’re playing with fire.
(上司に嘘をつき続けると、危険なことになる。)

court disaster

意味: 破滅を招く、自ら災いを招く

例文:
Ignoring safety regulations is courting disaster.
(安全規則を無視することは、自ら災いを招く行為だ。)

まとめ

「飛んで火に入る夏の虫」は、自ら進んで危険や破滅に飛び込むこと、また、そのような愚かな行為をする人を指すことわざです。
目先の利益や誘惑に惑わされず、冷静な判断力を持ち、危険を回避することが重要です。
「石橋を叩いて渡る」ように、慎重に行動することが、破滅を避けるための賢明な選択と言えるでしょう。

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