「木で鼻をくくる」の意味・語源・由来
意味
相手の相談や要求などに対し、ひどく無愛想に応対すること。
冷淡であしらうことのたとえです。
感情がなく、素っ気ない返事をすることなどを指します。
「木で鼻をこくる」とも言います。
語源・由来
「くくる」は、「こくる(扱く)」が変化した言葉です。
「こくる」には、「こする」「しごく」という意味があります。
「木で鼻をこくる」とは、本来、木製のへらで鼻をこするという、不快でぞんざいな行為を指していました。
現在では「くくる」が使われていますが、これは「こくる」の誤用が広まったものです。
木で鼻を強くこすれば痛みで不愉快な顔になることから、無愛想な様子を「木で鼻をこくる(くくる)」と言うようになりました。
「木で鼻をくくる」の使い方(例文)
- 「彼女はいつも、木で鼻をくくったような返事しかしない。」
- 「店員に木で鼻をくくったような態度を取られて、腹が立った。」
- 「何度質問しても、木で鼻をくくるような返事ばかりで、埒が明かない。」
- 「上司は私の提案を、木で鼻をくくったようにあしらった。」
「木で鼻をくくる」の類義語
- けんもほろろ:無愛想で冷淡なさま。
- つっけんどん:言葉や態度がとげとげしいさま。
- にべもない:愛想がない。思いやりがない。
- すげない:思いやりがない。そっけない。
- 冷淡:思いやりがないこと。関心を示さないこと。
「木で鼻をくくる」の対義語
- 愛想がいい:人に好感を与えるような、にこやかな態度や言葉づかい。
- 親切:相手の身になって、その人のために何かをすること。
- 懇切丁寧:非常に細かいところまで行き届いていて、親切で丁寧なこと。
- 如才ない:気が利いていて、手抜かりがないこと。
- 丁重:礼儀正しく、念入りなこと。
使用上の注意点
「木で鼻をくくる」は、非常に無愛想な態度を表す言葉です。
相手に対して失礼にあたる可能性があるので、使用する場面には注意が必要です。
「木で鼻をくくる」に類似した英語表現
give (someone) the cold shoulder
直訳:(人に)冷たい肩を与える
意味:人を冷遇する、人に冷たく接する、よそよそしい態度をとる
例文:
He gave me the cold shoulder at the party.
(彼はパーティーで私に冷たい態度をとった。)
brush (someone) off
意味:(人)をぞんざいにあしらう、(人)を無視する
例文:
I tried to talk to her, but she just brushed me off.
(私は彼女に話しかけようとしたが、彼女は私を無視した。)
テレビ番組での紹介(林修のことば検定)
「木で鼻をくくる」という言葉は、テレビ朝日の情報番組「グッド!モーニング」で、林修先生の「ことば検定スマート」の出題語として取り上げられました。
問題:「木で鼻をくくる」由来となった行為は?
答え:鼻をこする
ことば検定 解説
「木で鼻をくくる」は、不愛想に振る舞う様子を指す言葉です。
「くくる」は、元々は「こくる(こする)」という言葉で、「木で鼻をこくる」が正しい表現でした。
木で鼻を強くこすれば痛みで不愉快な顔になることから、この言葉が無愛想な様子を表すようになりました。
まとめ
「木で鼻をくくる」は、非常に無愛想で冷淡な対応をすることのたとえです。
日常会話やビジネスシーンなど、さまざまな場面で使用されますが、相手に不快感を与える可能性もあるため、使用には注意が必要です。
類義語や英語表現も覚えておくと、表現の幅が広がるでしょう。
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