もくじ
意味 – 互いの気持ちがぴったり合うこと
「意気投合」とは、お互いの気持ちや考え、感じ方などがぴったりと合い、すぐに仲良くなったり、共感し合ったりすることを意味する四字熟語です。
初めて会った人同士でも、まるで昔からの知り合いのように話が弾んだり、考え方が一致して協力し合えるようになったりする、そんなポジティブな状況を表します。
心の波長が合う、といった感覚に近いでしょう。
語源 – 「意気」が「ぴったり合う」
「意気投合」も、二つの言葉から成り立っています。
- 意気(いき):物事に対する心の持ち方、考え、気概。
- 投合(とうごう):「投」は投げ入れるという意味から転じて、物事がぴったり合う、一致するという意味。「合」も合う、一致する意味を持ちます。合わせて、ぴったりと合うことを強調しています。
つまり、「意気投合」は、互いの「意気」、すなわち心意気や考え方が「投合」する、ぴったり一致するという意味を表しているのです。
この言葉も、特定の故事に由来するものではなく、言葉の組み合わせによって生まれた表現です。
使用される場面と例文 – 心が通じ合う瞬間
「意気投合」は、人と人との出会いや関係性において、互いに深く理解し合えたり、共感できたりするポジティブな場面で広く使われます。
例文
- 「初めて会ったのに、趣味の話ですっかり意気投合した。」
- 「彼とは考え方が似ていて、すぐに意気投合し、一緒にプロジェクトを進めることになった。」
- 「旅行先で偶然隣り合わせた人と意気投合し、連絡先を交換した。」
- 「会議で同じ意見を持っていたAさんとBさんは、たちまち意気投合した。」
類義語 – 似た意味を持つ言葉
「意気投合」と似た、心が通じ合う様子を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 一拍即合(いっぱくそくごう):ちょっと手を打つと、すぐに息が合うように、すぐに互いの気持ちが一致すること。即座に気が合うニュアンスが強いです。
- 肝胆相照らす(かんたんあいてらす):互いに心の底まで打ち明けて、親しく交わること。「肝胆」は肝臓と胆嚢で、転じて心の奥底を意味します。より深く、誠実な関係性を表します。
- 気が合う:互いの性格や考え方が合って、一緒にいて心地よいと感じること。日常的によく使われる表現です。
- 波長が合う:感覚や考え方が自然に一致すること。「意気投合」と非常に近いニュアンスで使われます。
- 馬が合う:なぜか互いに気が合う、相性が良いこと。理由を特定しにくいような、感覚的な一致を表すことが多いです。
対義語 – 反対の意味を持つ言葉
「意気投合」とは反対に、互いの仲が悪かったり、考え方が全く合わなかったりする状態を表す言葉です。
- 反目嫉視(はんもくしっし):互いににらみ合い、妬み合うこと。仲が悪く、対立している状態を表します。
- 犬猿の仲:犬と猿のように、非常に仲が悪いことのたとえ。
- 水と油:水と油のように、性質が全く合わず、互いに反発し合ってなじまないこと。
- 呉越同舟(ごえつどうしゅう):仲の悪い者同士(呉の国の人と越の国の人)が、同じ舟に乗り合わせること。共通の困難や利害のために一時的に協力する状況も指しますが、根本的に仲が悪いことを含意します。
※ 「意気投合」が互いの内面的な一致を表すのに対し、これらの言葉は不和や対立を表します。
英語での類似表現 – 考えや気持ちが合う様子を表す英語
英語で「意気投合」のニュアンスを表すには、次のような表現があります。
- hit it off (with someone)
意味:すぐに(人)と仲良くなる、うまが合う。
特に、初めて会った人とすぐに打ち解ける様子を表す際に使われます。 - see eye to eye (with someone on something)
意味:(人と)(何について)意見が完全に一致する。
考え方や意見が合うことを強調する表現です。 - be on the same wavelength
意味:考え方や感じ方が同じである、波長が合う。
感覚的な一致や、互いの理解がスムーズであることを表します。 - click (with someone)
意味:(人と)すぐに気が合う、うまくいく。
“hit it off” に似ていますが、より瞬間的に理解し合えたようなニュアンスがあります。
まとめ
「意気投合」は、互いの気持ちや考えが驚くほどぴったりと合い、すぐに打ち解けたり、深く共感し合えたりする瞬間を表す四字熟語です。
この言葉は、「意気」(心意気や考え)が「投合」(ぴったり一致する)することに由来します。
初対面なのに旧知の仲のように感じたり、共に目標を追いかける最高のパートナーに出会ったりするなど、前向きな人間関係の始まりや深まりを示す表現です。
人との繋がりの中で、「意気投合」の瞬間は、人生をより豊かにする大切な要素の一つと言えるでしょう。
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