雲泥の差

慣用句
雲泥の差(うんでいのさ)

6文字の言葉」から始まる言葉
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意味

「雲泥の差」とは、非常に大きな違いや隔たりがあることを表す慣用句です。
天と地ほどの差がある、比較にならないほどかけ離れている、といった状況を表現する際に用いられます。
「雲」は空高くにあるもの、「泥」は地面にあるもの、という対比から、両者の間に計り知れないほどの差があることを示しています。

語源・由来

「雲泥の差」の「雲」と「泥」は、それぞれ天と地にあるものを象徴しています。
「雲」は天上界に浮かぶ清浄な存在、「泥」は地上の卑俗な存在というイメージがあります。
この対比によって、二つのものの間に非常に大きな隔たりがあることを表しています。
具体的な初出ははっきりしませんが、古くから使われてきた表現であり、仏教の経典や中国の古典などにも同様の表現が見られます。
仏教の思想では、天界は悟りの境地、地上は迷いの世界とされ、両者の間には大きな隔たりがあるとされています。

使用される場面と例文

「雲泥の差」は、主に二つのものを比較して、その違いが非常に大きいことを強調したいときに使われます。
能力、品質、価値、地位、環境など、さまざまな要素の比較に用いられます。

例文

  • 「ベテランの職人と見習いの技術には、まだ雲泥の差がある。」
  • 「都会と田舎の生活環境は、雲泥の差があると言わざるを得ない。」
  • 「一流ブランド品とノーブランド品では、品質に雲泥の差がある場合がある。」
  • 「今回の試験結果は、前回と比べて雲泥の差だった。」

注意点

「雲泥の差」は、比較対象の間に非常に大きな差があることを強調する表現です。
そのため、小さな違いや微妙な差を表現する場合には適していません。
また、優劣をはっきり示す表現であるため、使う相手や状況によっては、失礼にあたる場合もあります。
特に、人の能力や容姿などを比較する際には、注意が必要です。

類義語

  • 月とすっぽん:どちらも丸い形をしていますが、月は美しく、スッポンは泥臭いイメージがあるため、比較にならないほどの違いがあることを表します。
  • 提灯に釣鐘:形は似ていても、大きさが全く異なることから、比較にならないほどの違いがあることを表します。
  • 桁違い:数値や程度が比較にならないほど大きく異なること。
  • 段違い:程度やレベルが大きく異なること。
  • 天と地:非常に大きな隔たり、比較にならないほどの違いがあること。

関連する概念

  • 対比効果/コントラス効果:二つのものを比較することで、それぞれの特徴がより強調される心理現象。

対義語

  • 五十歩百歩:少しの違いはあっても、本質的には大差がないこと。
  • 団栗の背比べ:どれも似たり寄ったりで、抜きんでたものがないこと。
  • 大同小異:細かい違いはあっても、だいたいは同じであること。
  • 似たり寄ったり:どちらも同じようで、あまり差がないこと。
  • 僅差:わずかな差。

英語表現(類似の表現)

  • like night and day
    直訳:夜と昼のよう。
    意味:全く異なる、正反対である。
  • poles apart
    意味:両極端、正反対。
  • a world of difference
    意味:非常に大きな違い。

まとめ

「雲泥の差」は、天と地ほどの大きな違いを表す慣用句です。
能力、品質、価値など、さまざまな要素の比較に用いられ、その差が非常に大きいことを強調します。
比較対象の間に歴然とした差があることを表現したい時に用いると良いでしょう。

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