意味・教訓 – 評判通りの活躍で、面目を保ち輝かせること
「面目躍如」とは、その人にふさわしい働きや活躍をすることで、世間の評判や期待に応え、その人の評価や名誉(面目)が、生き生きと(躍如として)現れる様子を指す四字熟語です。
「さすが、〇〇さんだ!」と思わせるような、その人らしい素晴らしい活躍ぶりを見て、日頃の評判や実力が確かなものであったと、改めて感心するような状況で使われます。
その人の真価がはっきりと示され、結果として、その人の名誉や評価が一層高まることを意味します。
この言葉は、期待通りの、あるいは期待以上の成果を出し、自身の評価を高めた人への称賛の気持ちを表します。
語源・由来 – 面目が躍るように現れる
「面目躍如」は、「面目」と「躍如」という二つの言葉が組み合わさってできています。
- 面目:世間に対する名誉、体面、評価。顔が立つこと。
- 躍如:「躍」は「おどる」で、生き生きと現れるさま。「如」は「~のようである」。合わせて、まるで躍(おど)りだすかのように、生き生きと、はっきりと現れる様子。
つまり、「その人の評価や真価(面目)が、躍りだすかのように生き生きと(躍如として)現れる」というのが、この言葉の成り立ちです。
活躍ぶりを通して、その人の本来持つ価値や評判が、疑いようもなく証明される様子を表現しています。
使用される場面と例文 – 期待通りの活躍ぶりに対して
「面目躍如」は、その人の実力や評価、あるいは「その人らしさ」が、ある出来事や行動を通して鮮やかに示された場面で使われます。
特に、周囲が期待していた通りの、あるいはそれ以上の素晴らしい活躍をした際に、称賛の意味を込めて用いられることが多いです。
例文
- 「ベテラン俳優が見せた面目躍如たる演技に、観客は引き込まれた。」
- 「彼は、ここ一番の大舞台で面目躍如の活躍を見せ、チームを勝利に導いた。」
- 「今回のプロジェクト成功は、リーダーとしての彼の面目躍如と言えるだろう。」
- 「細部までこだわり抜いた作品は、まさに職人としての彼の面目躍如たる仕事ぶりを示している。」
類義語 – 似た意味を持つ言葉
- 真価を発揮する(しんかをはっきする):本来持っている本当の価値や能力を、十分に表し示すこと。
「面目躍如」と似ていますが、より直接的に能力の発揮に焦点を当てます。 - 本領発揮(ほんりょうはっき):その人が本来持っている、優れた能力や特質を十分に発揮すること。
得意分野などで、その人らしい実力を示す際に使われます。 - 面目を施す(めんもくをほどこす):活躍などによって、自分の名誉や評価を高めること。評判通りの働きをして、期待に応えること。
結果として評価が高まる点に重点があります。 - ~らしさが出る(~らしさがでる):その人や物事に特有の性質や特徴が、はっきりと現れること。
活躍が、その人の個性やスタイルをよく表している場合に重なります。
対義語 – 反対の意味を持つ言葉
- 面目丸つぶれ:名誉や体面が、すっかり失われてしまうこと。
※ 期待を裏切り、評価を著しく下げてしまう状況。 - 評判を落とす:それまでの良い評価を失うこと。
※ 「面目躍如」とは逆に、評価が下がってしまうこと。 - 期待外れ:期待していたほどではなかったこと。期待に反すること。
※ 期待に応えられなかった、残念な結果。 - 見る影もない:以前の立派な状態がすっかり失われ、見るに堪えないほど落ちぶれたり、衰えたりしているさま。
※ かつての面影がなく、評価や実力が失われた状態。
英語での類似表現 – 評判に違わぬ活躍
- live up to one’s reputation
意味:評判に応える、評判通りの活躍をする。
期待や評判に見合うだけの働きをすることを表します。 - true colors shining through
直訳:本当の色が輝き出る。
意味:その人の本質や真価がはっきりと現れること。 - show one’s true worth / abilities
意味:真価/真の実力を示す。
本来の価値や能力を発揮する様子を直接的に表現します。 - (be) a credit to one’s name
意味:(人や行為が)~の名誉となる、~の名を高める。
活躍がその人の評価を高めることを示します。
使用上の注意点 – 肯定的な評価・称賛として
「面目躍如」は、その人の真価や評判通りの能力が発揮されたことに対する、肯定的な評価や称賛を表す言葉です。
「さすがだ」「期待通りだ」といったニュアンスを含みます。
そのため、基本的には良い意味で使われ、相手への敬意や感嘆の気持ちを伝えるのに適しています。
ただし、単に「その人らしい行動」という意味合いで、皮肉や揶揄(やゆ)を込めて使われる可能性も全くないわけではありませんが、一般的には称賛の表現として理解されます。
まとめ
「面目躍如」とは、その人に期待される能力や、これまでの評判に違(たが)わぬ素晴らしい活躍ぶりを通して、その人の真価や名誉が、生き生きと輝き現れる様子を表す四字熟語です。
「さすが!」と膝(ひざ)を打つような、見事な働きぶりや、その人ならではの個性が際立つ瞬間に使われます。
この言葉は、人が持つ本来の価値や、積み重ねてきた努力が、確かな形で実を結び、周囲からの信頼や尊敬を集める、その輝かしい瞬間を捉えています。
期待に応え、さらにその上を行くような活躍は、見る人の心をも明るくしてくれるものですね。
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