意味
「鴨が葱を背負って来る」とは、非常に都合の良いこと、おあつらえ向きの状況を表すことわざです。
鴨鍋に葱は欠かせない材料であることから、鴨自身がその材料を持って現れるというのは、まさに「すぐに美味しい鴨鍋が食べられる」という、願ってもない状況を意味します。
転じて、自分にとって有利な状況や、手間が省けるような出来事が起こることを指して使われます。
語源・由来
このことわざの直接的な由来ははっきりとはしていませんが、江戸時代にはすでに使われていたようです。
鴨と葱の組み合わせは、古くから料理として親しまれていました。
鴨肉は独特の臭みがあるため、葱と一緒に煮ることで臭みを消し、風味を良くする効果があります。
この相性の良さから、「鴨が葱を背負って来る」という表現が生まれたと考えられます。
鴨が自分で葱を持ってくることは現実にはありえないことですが、そのありえない状況が、ことわざの面白さと、都合の良すぎる状況を強調する効果を生み出しています。
使用される場面と例文
「鴨が葱を背負って来る」は、主に以下のような場面で使われます。
- 予想外に好都合なことが起こった時
- 手間が省けるような、うまい話が舞い込んだ時
- 相手の行動が、自分にとって非常に有利になる時
例文
- 「困っていたら、彼が解決策を持ってきてくれた。まさに鴨が葱を背負って来るような話だ。」
- 「ちょうど新しいパソコンが欲しいと思っていたところに、懸賞で当たった!鴨が葱を背負って来るとはこのことだ。」
- 「ライバル会社の担当者が、自社の秘密情報を漏らしてくれた。これは鴨が葱を背負って来るようなものだ。」
- 「資金繰りに困っていたら、叔父から遺産相続の話が来た。鴨が葱を背負って来るとはまさにこのことだ。」
注意! 避けるべき使い方
- 「鴨が葱を背負って来るように、毎日美味しいものが食べたい。」(✕ 誤用)
※ 毎日美味しいものが食べたい、というのは、単なる願望であり、「鴨が葱を背負って来る」が意味する「非常に都合の良いこと、おあつらえ向きの状況」とは異なります。
類義語
- 棚からぼた餅:思いがけない幸運が舞い込むこと。
- 濡れ手で粟:苦労せずに利益を得ること。
- 願ったり叶ったり:望んでいたことが実現すること。
- 一挙両得(いっきょりょうとく):一つの行為で二つの利益を得ること。
対義語
- 骨折り損のくたびれ儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ):苦労したのに報われないこと。
- 二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず):欲張ると結局何も得られないこと。
- 踏んだり蹴ったり: 災難が重なること。
英語表現(類似の表現)
too good to be true
直訳:良すぎて真実とは思えない。
意味:うますぎる話、信じられないほど好都合なこと。
例文:
The offer seemed too good to be true.
(その申し出は、うますぎて本当とは思えなかった。)
a gift from the gods
直訳:神々からの贈り物
意味:天からの恵み、思いがけない幸運
例文:
His sudden appearance was like a gift from the gods.
(彼の突然の出現は、まるで天からの恵みのようだった。)
have one’s cake and eat it too
直訳:ケーキを持っていて、さらにそれを食べる
意味:都合の良いとこ取りをする、両方とも手に入れようとする(通常は否定的な文脈で使われることが多い)。
例文:
You can’t have your cake and eat it too.
(良いとこ取りはできないよ。)
まとめ
「鴨が葱を背負って来る」は、非常に都合の良いこと、おあつらえ向きの状況を表すことわざです。
鴨と葱という、料理の相性の良さから生まれたこの表現は、現代でも、思いがけない幸運や、手間が省けるような出来事を表す際に使われます。
ただし、あまりにも都合が良すぎる話には、裏があるかもしれない、という教訓も含まれているかもしれません。
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