「私利私欲」の意味 – 自分の利益と欲望だけを考えること
「私利私欲」とは、社会全体の利益や他人のことを考えず、自分自身の利益と欲望を満たすことだけを考えて行動することを意味します。
「公(おおやけ)」の反対である「私(わたくし)」が二度使われていることからもわかるように、極めて自己中心的な態度を表す言葉です。
多くの場合、道徳的に見て好ましくない、利己的な行いを非難する際に使われます。
「私利私欲」の語源・由来 – 個人の利益と欲望を指す言葉
この言葉は、「私利」と「私欲」という二つの言葉が組み合わさってできています。
- 私利:自分だけの利益。
- 私欲:自分だけの欲望。
どちらも「自分のためだけ」という点を強調しています。
仏教では、自分の利益のみを図る「我利(がり)」や、際限なく欲しがる心「貪欲(とんよく)」を戒める教えがありますが、「私利私欲」もこれらと同様に、利己的な心を戒める文脈で使われることが多い言葉です。
社会全体の調和や他者への配慮よりも、個人の利益や欲望を優先する態度を示しています。
「私利私欲」の使用される場面と例文 – 利己的な行動を非難するとき
「私利私欲」は、政治家が国民のためではなく自分の利益のために行動したり、企業の経営者が従業員や社会のことを考えずに利益を追求したりするなど、立場や責任を忘れ、自己の利益や欲望のためだけに行動している様子を非難する際によく使われます。
強い軽蔑や批判の気持ちが込められることが一般的です。
例文
- 「彼は私利私欲のために、多くの人を裏切った。」
- 「政治家たるもの、私利私欲を捨てて国民に尽くすべきだ。」
- 「あの経営者は私利私欲に走り、会社を危機に陥れた。」
- 「チームの目標よりも私利私欲を優先する選手は信頼されない。」
「私利私欲」の類義語 – 似た意味を持つ言葉たち
自分の利益や欲望ばかりを考える様子を表す言葉は他にもあります。
- 我利我利(がりがり):自分の利益だけを図ろうとすること。私利私欲と非常によく似た意味です。
- 自己中心的(じこちゅうしんてき):物事を自分の都合や利益だけを中心に考えるさま。
- 利己主義(りこしゅぎ):自分の利益だけを考え、他人の迷惑や社会全体の利益を顧みない考え方。エゴイズム。
- 身勝手(みがって):他人の都合を考えず、自分の都合だけを考えて行動すること。
- 慾得ずく(よくとくずく):利益や欲望だけで行動すること。「欲得尽く」とも書きます。
「私利私欲」の対義語 – 公共の利益や他者を思う心を表す言葉
「私利私欲」とは反対に、自分のことよりも全体の利益や他者のことを優先する態度を示す言葉には、以下のようなものがあります。
- 滅私奉公(めっしほうこう):私的な利益や欲望を捨てて、公の務めや社会のために尽くすこと。
- 利他(りた):自分のことよりも他人の幸福や利益を優先すること。
- 公共心(こうきょうしん):社会全体の利益や幸福を考え、それに貢献しようとする心。
- 奉仕(ほうし):報酬を求めず、国家や社会、他人のために尽くすこと。
「私利私欲」の英語での類似表現 – 英語で伝える「利己心」
英語で「私利私欲」に近いニュアンスを表現するには、以下のような言葉が使えます。
- selfish desires
意味:利己的な欲望 - personal gain
意味:個人的な利益 - self-interest
意味:自己の利益、利己心 - vested interest
意味:既得権益(個人的な利益が絡んでいることを示唆する場合も) - acting out of self-interest
意味:私利私欲から行動する
これらの表現は、文脈によって「私利私欲」が持つ「自分の利益や欲望だけを追求する」という否定的な意味合いを伝えることができます。
まとめ – 「私利私欲」を離れ、より広い視野を持つこと
「私利私欲」とは、社会や他者を顧みず、自分だけの利益と欲望を追求する利己的な心や行動を指す言葉です。
強い非難や軽蔑のニュアンスを伴うことが多く、道徳的に見て望ましくない態度とされています。
このような行動は、一時的に利益を得られたとしても、長期的には周囲からの信頼を失い、社会的なつながりを損なうことになりかねません。
目先の利益や欲望にとらわれるのではなく、他者への配慮や社会全体の利益といった、より広い視野を持つことが、結果として自分自身の豊かさにもつながるのではないでしょうか。
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