もくじ
「とんびに油揚げをさらわれる」の意味・語源・由来
意味
「とんびに油揚げをさらわれる」とは、持っているものを不意に横から奪われることのたとえです。
大切なものや期待していたものを、思いがけず失ってしまう状況を表します。
ぼんやりしていて隙があるために、被害にあうという意味合いも含まれます。
語源・由来:
トンビ(鳶)は、タカ科の鳥で、上空から獲物を狙い、急降下して捕らえる習性があります。
油揚げは、トンビの好物とされています。
人が油揚げを持っていると、トンビが上空から急降下してきて、一瞬のうちに奪い去っていくことがあります。
この様子から、不意に大事なものを奪われることのたとえとして使われるようになりました。
「とんびに油揚げ」と省略されることもあります。
「とんびに油揚げをさらわれる」の使い方(例文)
- 「大事な契約書を、ライバル会社にとんびに油揚げをさらわれるように取られてしまった。」
- 「おやつにしようと思っていたケーキを、弟にとんびに油揚げをさらわれるように食べられた。」
- 「ぼんやりしていたら、財布をとんびに油揚げをさらわれるように盗まれた。」
- 「ゴール直前で、後続の選手にとんびに油揚げをさらわれるように抜かれてしまった。」
- 「手柄を横取りされ、まる「とんびに油揚げ」だ。」
注意! 間違った使い方
- 「彼の実力は、とんびに油揚げをさらわれるほど素晴らしい。」(✕ 誤用)
「とんびに油揚げをさらわれる」は、不意に奪われるという意味なので、実力を褒める文脈では使いません。
「とんびに油揚げをさらわれる」の類義語
- 出し抜かれる(だしぬかれる):先を越される、不意をつかれる。
- 不意を突かれる(ふいをつかれる): 突然のことで対応できない
- 寝耳に水(ねみみにみず):思いがけない出来事に驚くこと。
- 足をすくわれる:卑劣な手段で隙をつかれて失敗させられること。
「とんびに油揚げをさらわれる」の対義語
- 先手を打つ:相手より先に手を打って、有利な状況を作ること。
- 先んずれば人を制す:相手より先に事を行えば、有利な立場に立てるということ。
使用上の注意点
「とんびに油揚げをさらわれる」は、不意に大事なものを奪われる、失うという意味を表すことわざです。
ぼんやりしていると、足元をすくわれる、というニュアンスを含みます。
ネガティブな意味合いを持つため、使う場面には注意が必要です。
「とんびに油揚げをさらわれる」の英語表現
Have something snatched away from you
直訳:あなたから何かを奪い去られる
意味:不意に何かを失う
例文:
I had my wallet snatched away from me on the train.
(電車の中で財布をとんびに油揚げをさらわれるように盗まれた。)
Be caught off guard
直訳:不意を突かれる、油断する。
意味:不意をつかれ、何かを失う
例文:
We were caught off guard and lost the contract.
(不意をつかれ(とんびに油揚げをさらわれ)契約を失った。)
まとめ
「とんびに油揚げをさらわれる」は、持っているものを不意に横から奪われることのたとえです。
トンビが油揚げをさっと奪い去る様子から生まれたことわざです。
類義語や英語表現も参考に、状況に応じて適切な言葉を選びましょう。
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