親の光は七光

ことわざ
親の光は七光(おやのひかりはななひかり)
短縮形:親の七光り

12文字の言葉」から始まる言葉
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「親の光は七光」の意味・語源・由来

意味

「親の光は七光」および「親の七光り」とは、親の権威や威光が、子にまで及ぶ影響力の大きさを表すことわざです。
有名な親や権力を持つ親を持つ子は、その恩恵を多方面にわたって受けることができる、という意味で使われます。
「七光」とは、七つの光、つまり多方面からの光を意味し、親の影響力が広範囲に及ぶことを強調しています。
多くの場合、揶揄や皮肉を込めて使われることが多いです。

「親の光は七光」と「親の七光り」のニュアンスの違い

  • 親の光は七光:ことわざ本来の形で、やや古風な言い回しです。客観的な事実を述べる場合や、教訓めいた文脈で使われることがあります。
  • 親の七光り:より口語的で、一般的に使われる表現です。揶揄や皮肉の意味合いがより強くなる傾向があります。

語源・由来

「親の光は七光(親の七光り)」の「七光」は、仏教用語の「七宝の光(しっぽうのひかり)」に由来すると言われています。

七宝とは、仏教の経典に出てくる七つの宝(金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)、硨磲(しゃこ))のことで、これらの宝が放つ光が非常に強いことから、「七光」は絶大な力や影響力を表す言葉として使われるようになりました。

江戸時代には、親の地位や身分が子に大きな影響を与える社会であったため、このことわざが広く使われるようになったと考えられます。

「親の光は七光」の使い方(例文)

  • 「彼は、親の七光りで、実力もないのに良いポストについている。」
  • 親の光は七光と言うけれど、本人の努力も必要だ。」
  • 「あの政治家は、親の七光りで当選したようなものだ。」
  • 「彼女は、親の七光りで有名大学に入学したと噂されている。」
  • 親の七光りと揶揄されようとも、自分の力で道を切り開いてみせる。」

「親の光は七光」の類義語

  • 親の威光を笠に着る(おやのいこうをかさにきる):親の権威を頼りにして、いばること。
  • 親の脛をかじる(おやのすねをかじる):自立せず、親に経済的に依存すること。
  • 虎の威を借る狐(とらのいをかるきつね):他人の権威を借りて、いばること。
  • 二世:親の地位や名声を受け継いだ人。

「親の光は七光」の対義語

直接的な対義語はありませんが、反対の意味を表す言葉としては以下のようなものが挙げられます。

  • 自力更生:他人に頼らず、自分の力で生計を立てること。
  • 独立独歩:他人に頼らず、自分の力で道を歩むこと。
  • 叩き上げ:下積みから苦労して一人前になること。
  • 一代で築く:自分の力だけで財産や地位を築き上げること。
  • 実力主義:家柄やコネではなく、個人の実力によって評価が決まること。

使用上の注意点(現代における注意点)

「親の光は七光(親の七光り)」は、現代社会においては、特に注意が必要な言葉です。

能力主義や機会均等の考え方が重視される現代では、親の地位や名声を利用して利益を得ることは、「コネ」や「えこひいき」と見なされ、批判の対象となることが多いです。

SNSなどでの発言には、より一層の注意が必要です。

不用意に使うと、反感を買う可能性があることを理解しておきましょう。

「親の光は七光」に類似した英語表現

Ride on someone’s coattails.

直訳:人のコートの裾に乗る。
意味:人の威光や名声を利用して、自分も利益を得ること。

例文:
He rode on his father’s coattails to get the job.
(彼は父親の七光りでその仕事に就いた。)

Born with a silver spoon in one’s mouth.

直訳:銀のスプーンをくわえて生まれてきた。
意味:裕福な家庭に生まれたこと、生まれながらにして恵まれていること。

例文:
She was born with a silver spoon in her mouth and has never had to work a day in her life.
(彼女は裕福な家庭に生まれ、人生で一度も働く必要がなかった。)

まとめ

「親の光は七光(親の七光り)」は、親の威光が子に及ぼす影響の大きさを表すことわざです。

多くの場合、揶揄や皮肉を込めて使われ、現代社会においては、能力主義や機会均等の観点から批判的に捉えられることもあります。

この言葉を使う際は、文脈や相手に十分注意し、誤解を招かないように配慮することが重要です。

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