毒を食らわば皿まで

ことわざ
毒を食らわば皿まで(どくをくらわばさらまで)

11文字の言葉と・ど」から始まる言葉
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「毒を食らわば皿まで」の意味・語源・由来

意味

「毒を食らわば皿まで」とは、一度毒を口にしてしまった以上、その毒を盛られた皿までしゃぶるように、とことんまでやるべきだという意味です。
悪事を働くなら中途半端はやめて、最後まで徹底的にやり通せという考え方を表しています。
また、どうせやるなら覚悟を決めて最後までやり抜け、という場面でも用いられます。
一度悪事に手を染めたら、後戻りはできないという戒めの意味も込められています。

語源・由来

「毒を食らわば皿まで」の語源は明確ではありません。
しかし、一度悪事や困難な状況に足を踏み入れたら、途中でやめることができないという心理を反映していると考えられます。
古くから日本には「破れかぶれ」や「どうせなら」といった極限状態での行動原理を表す言葉が多く存在し、このことわざもその一つとされています。

「毒を食らわば皿まで」の使い方(例文)

  • 「ダイエット中なのにケーキを食べてしまった。もう毒を食らわば皿まで、今日は開き直って楽しむか。」
  • 「プロジェクトのリーダーを引き受けたからには、毒を食らわば皿まで、必ず成功させてみせる。」
  • 「一度裏社会に足を踏み入れた以上、毒を食らわば皿までの覚悟で生きるしかない。」
  • 「どうせ告白するなら振られる事を恐れず、毒を食らわば皿までの気持ちで当たってみよう。」
  • 「起業を決意した以上、毒を食らわば皿まで、あらゆる困難を乗り越えていく覚悟だ。」

「毒を食らわば皿まで」の類義語

  • 騎虎の勢い(きこのいきおい):虎に乗って走り出した者は、途中で降りることができない。
    勢いがついてしまったために、途中でやめることができなくなった状態のたとえ。
  • 破れかぶれ:どうにでもなれという気持ちで、自暴自棄になること。
  • 背水の陣:一歩も退けない絶体絶命の状況で、決死の覚悟で事に当たること。
  • 乾坤一擲:運命をかけて、のるかそるかの大勝負をすること。

「毒を食らわば皿まで」の類義語・関連表現

類義語(ことわざ・慣用句)

  • 騎虎の勢い(きこのいきおい):虎に乗ってしまった以上、途中で降りられない。勢いで引き返せなくなった状況を指す。
  • 破れかぶれ:どうにでもなれという気持ちで、自暴自棄になること。
  • 背水の陣:一歩も退けない絶体絶命の状況で、決死の覚悟で事に当たること。
  • 乾坤一擲(けんこんいってき):運命をかけて、のるかそるかの大勝負をすること。

関連する概念・心理

このことわざは、「覚悟」や「退路を断つ」ことと深く結びついています。以下の言葉も関連性が高いです。

  • 後戻りできない決断:「覚悟を決める」「背水の陣」「退路を断つ」
  • 悪事に手を染める心理:「破滅」「開き直り」「泥沼にはまる」
  • やり切る・徹底する:「最後までやり通す」「とことんまで行く」

このように、「毒を食らわば皿まで」は、状況によって「覚悟の表明」としても、「後戻りできないリスクの警告」としても使われます。

「毒を食らわば皿まで」の対義語

  • 石橋を叩いて渡る:非常に用心深く、安全を確認してから物事を行うこと。
  • 君子危うきに近寄らず:賢明な人は、危険なことには最初から関わらない。
  • 転ばぬ先の杖:失敗しないように、前もって用心すること。
  • 安全第一:何よりも安全であることを最優先に考えること。

使用上の注意点

「毒を食らわば皿まで」は、肯定的な意味で使われることもありますが、基本的には悪事や危険な行為を徹底的に行うことを指す場合が多いです。
そのため、使う場面や相手には注意が必要です。
また、このことわざを安易に使うと、反社会的な行為を肯定しているように受け取られる可能性もあるため、注意しましょう。

「毒を食らわば皿まで」に類似した英語表現

In for a penny, in for a pound.

直訳:1ペニー賭けたなら、1ポンド賭けたも同じ
意味:少しでも関わったら、最後まで関わることになる

例文:
I’ve already invested so much time in this project, I might as well go all the way. In for a penny, in for a pound.
(このプロジェクトにはすでに多くの時間を費やしてきたので、最後までやり遂げるしかない。
毒を食らわば皿までだ。)

Go the whole hog.

意味:徹底的にやる、とことんまでやる

例文:
If you’re going to cheat, you might as well go the whole hog.
(不正をするなら、徹底的にやればいい。)

No turning back

意味:もう後戻りできない

例文:
Once the contract is signed, there’s no turning back.
(契約を結んだら、もう後戻りできない。)

Burn one’s bridges

直訳:橋を焼き払う(退路を断つ)
意味:一度決断したら後戻りできない状況にすること

例文:
Once you quit your job, you’ve burned your bridges. There’s no turning back.
(一度仕事を辞めたら退路を断ったことになる。もう戻れない。)

まとめ

「毒を食らわば皿まで」は、一度悪事に手を染めたら最後、とことんまでやり通すしかないという、人間の心理を鋭く突いたことわざです。
しかし、現代社会においては、このことわざを肯定的に捉えることはできません。
このことわざを教訓として、「石橋を叩いて渡る」ように、常に慎重な行動を心がけることが重要です。
一度だけの過ちで、後戻りが出来なくなる場合もある事を常に意識しましょう。

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