「臭いものに蓋をする」の意味・語源・由来
意味
「臭いものに蓋をする」とは、都合の悪いことや不祥事などが表面化しないように、一時的に隠蔽したり、ごまかしたりすることのたとえです。
臭いものが入った容器に蓋をして、臭いが漏れないようにする様子から来ています。
根本的な解決をせずに、表面だけを取り繕う、という意味合いで使われます。
語源・由来
この慣用句の正確な起源は定かではありませんが、臭いものを容器に入れて蓋をするという行為は、古くから行われてきたと考えられます。
悪臭を放つものをそのままにしておくと、周囲に迷惑がかかるため、一時的に蓋をして臭いを閉じ込めるのは、自然な対処法です。
この日常的な行為が、比喩的に、問題の隠蔽やごまかしを表す言葉として使われるようになったと考えられます。
「臭いものに蓋をする」の使い方(例文)
- 「会社は不祥事を隠蔽するために、臭いものに蓋をするような対応をした。」
- 「彼は、自分のミスを隠すために、いつも臭いものに蓋をする。」
- 「臭いものに蓋をしても、いつかは真実が明らかになる。」
- 「政府は、国民の批判をかわすために、臭いものに蓋をするような政策を打ち出した。」
- 「問題の根本的な解決をせずに、臭いものに蓋をするだけでは、何も変わらない。」
- 「当局は、事件の真相を隠すために、臭いものに蓋をした。」
「臭いものに蓋をする」の類義語
- 臭い物に蠅が集る:悪い噂や評判は、隠そうとしても広まりやすい。
- 隠蔽工作(いんぺいこうさく):事実を隠すための工作。
- 誤魔化す(ごまかす):うわべを繕って、真実を隠すこと。
- 糊塗する(ことする):一時しのぎにごまかすこと。
- 目隠し:真相を見えなくすること
「臭いものに蓋をする」の対義語
- 膿を出す(うみをだす):悪い部分を全て出し切って、根本から改善すること。
- 真相を究明する(しんそうをきゅうめいする):事件や問題の本当の原因や背景を明らかにすること。
- 白日の下に晒す(はくじつのもとにさらす):隠されていたことを明るみに出すこと。
- 開示する、公開する:情報を隠さず明らかにすること
使用上の注意点
この慣用句は、問題の隠蔽やごまかしを非難するニュアンスで使われることが多いです。
肯定的な意味で使われることはほとんどありません。
また、この慣用句を使うことで、相手の行動を批判していると受け取られる可能性があるため、使用する場面や相手には注意が必要です。
「臭いものに蓋をする」に類似した英語表現
Sweep something under the rug.
直訳:何かを絨毯の下に掃き込む。
意味:問題や不都合な事実を隠蔽すること。
例文:
The company tried to sweep the scandal under the rug, but the truth eventually came out.
(その会社はスキャンダルを隠蔽しようとしたが、結局は真実が明らかになった。)
Cover something up.
直訳:何かを覆い隠す。
意味:日本語の慣用句とほぼ同じ意味。隠蔽する
例文:
He tried to cover up his mistake, but his boss found out.
(彼は自分のミスを隠そうとしたが、上司に見つかってしまった。)
まとめ
「臭いものに蓋をする」は、都合の悪いことや不祥事を隠蔽したり、ごまかしたりすることを意味する慣用句です。
臭いものに蓋をして臭いを閉じ込めるという、日常的な行為が比喩的に用いられています。
この慣用句は、問題の根本的な解決をせず、表面だけを取り繕うことを非難するニュアンスで使われます。
類義語や英語表現も参考に、状況に応じて適切な表現を使い分けましょう。
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