「立っている者は親でも使え」の意味・語源・由来
意味
「立っている者は親でも使え」とは、非常に忙しい時や人手が足りない時には、誰彼構わず、どんな人でも動員して কাজে当たらせるべきだ、という意味のことわざです。
普段は頼みにくい親でさえも、役に立つのなら遠慮せずに頼るべきだ、という状況を表しています。
「立っている者」は、仕事をしていない人、手が空いている人を指し、比喩的に「使えるものは何でも使う」という切羽詰まった状況を強調しています。
このことわざは、単に人手が欲しいというだけでなく、緊急時や非常時における手段を選ばない姿勢、なりふり構わぬ状況をも表しています。
語源・由来
このことわざの具体的な語源や由来ははっきりしていません。
しかし、昔の農作業や家事など、人手が多ければ多いほど助かる場面が多かったことから生まれた表現と考えられます。
特に農村部などでは、繁忙期には家族総出で作業にあたるのが当たり前であり、親も貴重な労働力だったため、このような表現が生まれたのでしょう。
「立っている者は親でも使え」の使い方(例文)
- 猫の手も借りたいほど忙しい。まさに立っている者は親でも使えという状況だ。
- 締切が迫っているのに、トラブル発生で大ピンチ。立っている者は親でも使えと、母に資料の整理を手伝ってもらった。
- 引っ越し作業は、まさに立っている者は親でも使えだ。
- 文化祭の準備で、立っている者は親でも使えとばかりに、先生方も準備に駆り出されていた。
- 繁忙期で人手が足りないので、立っている者は親でも使えの精神で乗り切るしかない。
注意! 間違った使い方、間違いやすい読み方
このことわざは、「使えるものは誰でも使う」という意味合いから、人に対して失礼なニュアンスを含むことがあります。
目上の人や、手伝ってもらうのが当然ではない相手に対して使うのは避けましょう。
あくまでも、非常に差し迫った状況で、身内や親しい間柄の人に対して使うのが適切です。
「立っている者は親でも使え」の類義語
- 猫の手も借りたい:非常に忙しく、どんな手伝いでも欲しいほど人手が足りないこと。
- 藁にもすがる: 非常に困窮し、どんな頼りないものにも助けを求めること。
- 背に腹はかえられぬ:差し迫った状況では、他のことを犠牲にしても、最も重要なことを優先せざるを得ないこと。
「立っている者は親でも使え」の対義語
- 急がば回れ:急いでいるときこそ、安全で確実な方法を選ぶべきだということ。
- 急いては事を仕損じる:焦って事を進めると失敗しやすいということ。
使用上の注意点
先述の通り、このことわざは、状況によっては失礼な印象を与える可能性があります。使う相手や状況をよく考えて使用しましょう。
また、本当に親をこき使う、という意味ではなく、あくまでも比喩表現であることを理解しておく必要があります。
「立っている者は親でも使え」に類似した英語表現
Beggars can’t be choosers.
直訳:物乞いは選り好みできない。
意味:困窮している時は、選り好みする余裕はない。
例文:
I didn’t really want to ask my brother for help, but beggars can’t be choosers.
(兄に助けを求めたくはなかったが、ぜいたくは言っていられない。)
All hands on deck.
直訳:全員甲板へ。
意味:全員の協力が必要。総動員。
例文:
We need all hands on deck to finish this project on time.
(このプロジェクトを期限内に終わらせるには、全員の協力が必要です。)
まとめ
「立てる者は親でも使え」ということわざは、極めて多忙を極め、人手が全く足りない状況において、誰彼構わず、どんな人でもいいから手伝ってほしい、という切羽詰まった状況をたとえた表現です。
これは文字通りの意味ではなく、比喩として用いられます。
ただし、この表現は相手や状況によっては失礼にあたる可能性もあるため、使用する際には注意が必要です。
このことわざが示唆するのは、差し迫った状況下では、なりふり構わず周囲の協力を得ることが、時には必要になるということです。
しかし同時に、普段から周囲の人々との良好な関係を築き、いざという時に助けを求めやすい環境を作っておくことの大切さも教えています。
日頃からの信頼関係があれば、緊急時にもスムーズな協力体制を敷くことができるでしょう。
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