一難去ってまた一難

ことわざ 慣用句
一難去ってまた一難(いちなんさってまたいちなん)

13文字の言葉」から始まる言葉
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意味・教訓

「一難去ってまた一難」とは、一つの困難が解決したと思ったら、またすぐに次の困難がやってくることのたとえです。
人生は山あり谷ありで、問題が次々と起こるものだという教訓を含んでいます。

語源・由来

このことわざの正確な初出は不明です。
しかし、古くから人々の経験則として語り継がれてきた言葉であり、同様の概念はさまざまな文化圏に見られます。
人生の苦難や試練は、時代や場所を問わず普遍的なテーマであると言えるでしょう。

使用される場面と例文

「一難去ってまた一難」は、問題が解決したと思った矢先に、新たな問題が発生したときに使われます。

例文

  • 「やっと試験が終わったと思ったら、次はレポート提出。一難去ってまた一難だ。」
  • 「長雨が終わったと思ったら、今度は台風。一難去ってまた一難とはこのことだ。」
  • 「病気が治ったと思ったら、今度は仕事でトラブル。一難去ってまた一難で、なかなか落ち着かない。」
  • 「借金を返済したばかりなのに、また急な出費。本当に一難去ってまた一難だ。」

文学作品等での使用例

夏目漱石の小説『坊っちゃん』より

 もっとも今度の喧嘩は向うが হাতを出したのだから、別に 一難去ってまた一難の心配はあるまいと思った。

この場面では、主人公の「坊っちゃん」が、前の騒動が収まったと思ったら、またすぐに次の騒動に巻き込まれることへの懸念を表しています。
しかしここでは、自身から手を出したわけではないから大丈夫だろう、という考えを示しています。

類義語

  • 泣きっ面に蜂:不運や不幸が重なることのたとえ。
  • 弱り目に祟り目:困っているときに、さらに悪いことが重なること。
  • 踏んだり蹴ったり:ひどい目にあう上に、さらにひどい目にあうこと。
  • 二の舞を演ずる:前の人と同じ失敗を繰り返すこと。
    (直接的な類義語ではないが、問題が繰り返されるという点で関連性がある。)
  • 前門の虎、後門の狼:一つの災難を逃れても、またすぐに別の災難にあうことのたとえ。

関連する概念 

  • マーフィーの法則: うまくいかない可能性のあるものは、たいてい、うまくいかないという経験則。

対義語

  • 雨降って地固まる:揉め事や悪いことが起こった後は、かえって基盤がしっかりして、良い状態になること。(悪いことの後に良いことが起こるという意味で対照的。)
  • 棚からぼた餅:思いがけない幸運が舞い込むこと。(苦労なく良いことが起こるという意味で対照的。)

英語表現(類似の表現)

  • Out of the frying pan and into the fire.
    直訳:フライパンから出て火の中へ。
    意味:一つの困難から逃れても、さらに悪い状況に陥ること。
  • When it rains, it pours.
    直訳:雨が降るときは、どしゃ降りになる。
    意味:悪いことは重なるものだ。
  • From bad to worse.
    意味:さらに悪い方向へ。

まとめ

「一難去ってまた一難」は、人生には次々と困難が訪れるものだ ということを表すことわざです。
しかし、この言葉は決して悲観的なものではなく、困難に立ち向かう心構えの大切さ を示しています。
たとえ問題が続いても、一つずつ冷静に対処し、乗り越えていくことが大切です。

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