天災にまつわる ことわざ・慣用句・四字熟語

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天災にまつわる ことわざ 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

日本は地震や台風、津波など、さまざまな自然災害に見舞われる国です。
私たちの暮らしの中で、天災は決して他人事ではありません。
しかし、こうした厳しい環境の中でも、日本人は知恵を絞り、力を合わせて困難を乗り越えてきました。
その歴史の中で培われたのが、災害の恐ろしさや備えの大切さ、そして復興への決意を表すことわざや慣用句、四字熟語です。

もちろん、災害は日本に限ったことではなく、世界中の国々で発生しています。
各地の人々が経験を重ねる中で生まれた言葉には、共通する知恵や教訓も多く見られます。
これらを知ることで、私たち自身の防災意識を高めるだけでなく、困難に立ち向かう心構えを学ぶことができるでしょう。
今回は、天災に関連することわざや四字熟語を紹介します。

天災の恐ろしさを伝える言葉

  • 地震雷火事親父(じしん かみなり かじ おやじ)
    • 意味:世の中で恐ろしいものを順に並べた言葉。「地震」「雷」「火事」が上位に挙げられています。
  • 嵐の前の静けさ(あらしの まえの しずけさ)
    • 意味:嵐が来る直前に一時的に風がやみ、不気味なほど静かになること。転じて、大きな事件や変動が起こる直前の不穏な静けさを指します。
  • 青天の霹靂(せいてんの へきれき)
    • 意味:晴れた空に突然雷が落ちることから、予期しない突然の出来事や衝撃を表します。
  • 寝耳に水(ねみみに みず)
    • 意味:寝ているときに耳に水が入るように、全く思いがけない突然の出来事に驚くことのたとえ。
  • 水泡に帰す(すいほうに きす)
    • 意味:水の泡のように、努力や計画が全て無駄になってしまうこと。
  • 危機一髪(ききいっぱつ)
    • 意味:髪の毛一本ほどのわずかな差で、極めて危険な状態に陥りそうな瀬戸際。
  • 未曽有(みぞう)
    • 意味:これまでに例がないほどの出来事。
  • 激甚災害(げきじんさいがい)
    • 意味:国が指定する特定の自然災害で、被害が大規模で復旧に国の特別支援が必要なもの。

天災への備えや心構えを示す言葉

  • 天災は忘れた頃にやってくる(てんさいは わすれた ころに やってくる)
    • 意味:災害は人々がその恐ろしさを忘れ、油断した頃に不意に起こるものだという戒め。物理学者・寺田寅彦の言葉としても知られています。
  • 備えあれば憂いなし(そなえ あれば うれい なし)
    • 意味:普段から十分に準備をしておけば、万一の出来事が起こっても心配することはないということ。防災の心得としてもよく引用されます。
  • 喉元過ぎれば熱さを忘れる(のどもと すぎれば あつさを わすれる)
    • 意味:どんなに苦しいことやつらい経験も、時が過ぎてしまうと、その苦しさを簡単に忘れてしまうものだということ。
  • 対岸の火事(たいがんの かじ)
    • 意味:川の向こう岸の火事は自分に直接の危険はないことから、自分には関係がなく、何の苦痛も感じないことのたとえ。主に他人の不幸への無関心さを指しますが、元々の情景は「火事」という災害です。
  • 津波てんでんこ(つなみ てんでんこ)
    • 意味:津波が来たら家族であっても助けず、各自が全力で逃げるべきという三陸地方の教え。防災意識を表す重要な言葉です。
  • 地震の後に火事あり(じしんの あとに かじ あり)
    • 意味:地震の後は火災が起きやすいので、火の元に注意するという警句。関東大震災などでも見られた現象です。

天災からの教訓や復興を願う言葉

  • 干天の慈雨(かんてんの じう)
    • 意味:日照りが続いているときに降る、恵みの雨のこと。転じて、困っているときに受ける、ありがたい助けや恵みを指します。
  • 台風一過(たいふういっか)
    • 意味:台風が過ぎ去った後、天気が急に回復し、晴れ渡ること。
  • 後の祭り(あとの まつり)
    • 意味:時期を逃してしまい、もはや手遅れで役に立たないことのたとえ。
  • 艱難辛苦(かんなんしんく)
    • 意味:非常な困難に出会い、苦しみ悩むこと。
  • 一陽来復(いちようらいふく)
    • 意味:冬が去り春が来ること。陰が極まって陽に転じることから、悪いことが続いた後に、ようやく良い方へ向かうことを指します。
  • 生々流転(せいせいるてん)
    • 意味:万物は絶えず生まれ、変化し、移り変わっていくこと。
  • 復興(ふっこう)
    • 意味:災害や戦争などで大きな被害を受けた地域や社会が、元の状態またはそれ以上に立ち直ること。
  • 再起不能(さいきふのう)
    • 意味:一度大きな打撃を受けてしまい、もう元の状態に戻ることができないこと。
  • 七転八起(しちてんはっき)
    • 意味:何度失敗しても諦めずに立ち上がること。災害からの復興や再生の精神にも通じる言葉。
  • 試練は人を強くする(しれんは ひとを つよくする)
    • 意味:困難や苦しみを経験することで、人はより強く成長するということ。

まとめ

これらの言葉に触れると、自然の力の前に人間がいかに無力であるかを感じると同時に、それでも備え、いまを受け入れ、未来への希望を繋ごうとしてきた先人たちの思いが伝わってくるようです。

これらの言葉が、日々の防災意識を高めたり、困難な状況にある方への思いを寄せたりする、何かのきっかけとなれば幸いです。

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