「時は金なり」の意味・語源・由来
意味
時は金なりとは、時間はお金と同じように貴重なものである、という意味のことわざです。
時間を無駄にせず、有効に使うことの大切さを説いています。
時間は、一度過ぎてしまうと二度と戻ってきません。 お金を稼ぐことはできても、失った時間を取り戻すことはできません。
その意味で、時間はお金よりも価値がある、と考えることもできます。
語源・由来
「時は金なり」は、英語のことわざ Time is money.
の翻訳です。
この言葉は、アメリカの政治家であり科学者でもあるベンジャミン・フランクリンが、1748年に発表した『若き商人への手紙(Advice to a Young Tradesman)』の中で使った言葉として知られています。
ただし、「時間はお金のように貴重である」という考え方自体は、古くから世界中に存在していました。
古代ギリシャの哲学者テオプラストスは、「時間は最も高価な投資である」という言葉を残しています。
日本には、明治時代以降に、西洋の思想とともに Time is money.
が伝わり、「時は金なり」と訳されて、広く使われるようになりました。
「時は金なり」の使い方(例文)
- 時は金なりと言うから、時間を無駄にせず、勉強に励もう。
- 彼は、時は金なりをモットーに、効率的に仕事を進めている。
- 時は金なり。会議は短時間で済ませましょう。
- 忙しい現代人にとって、時は金なりという言葉は、ますます重要になっている。
- 「時は金なり」という意識を持って、時間を有効活用しよう。
注意! 間違った使い方
このことわざは、「時間を節約すること」だけに焦点を当てているわけではありません。
- 時は金なりだから、睡眠時間を削って働こう。(健康を損ねては本末転倒)
- 時は金なりだから、趣味や娯楽は一切やめよう。(心豊かな生活も大切)
「時は金なり」は、時間の大切さを説く言葉ですが、何よりも優先すべきは、心身の健康であり、バランスの取れた生活です。
「時は金なり」の文学作品などの用例
ベンジャミン・フランクリンの『若き商人への手紙』以外にも、時間の大切さをテーマにした文学作品や格言は数多く存在します。
例えば、シェイクスピアの戯曲『リチャード二世』には、「私は時間を浪費した。今や時間が私を浪費する」というセリフがあります。
「時は金なり」の類義語
- 光陰矢の如し(こういんやのごとし):時間が過ぎるのは、矢が飛ぶように速い。
- 歳月人を待たず(さいげつひとをまたず):時間は人の都合に関係なく過ぎていく。
- 一刻千金(いっこくせんきん):わずかな時間も千金にも値するほど貴重である。
- 寸暇を惜しむ(すんかをおしむ):わずかな時間も無駄にしないようにする
「時は金なり」の対義語
このことわざに明確な対義語はありません。
「時間を無駄にすること」を表す言葉や、「時間を持て余すこと」を表す言葉が、対照的な意味合いを持つと言えるでしょう。
- 暇つぶし:時間を持て余して、何かをして過ごすこと。
- 無為徒食(むいとしょく):何も仕事をしないで、ぶらぶらと日を過ごすこと。
使用上の注意点
「時は金なり」は、時間の大切さを説くことわざですが、あまりにも時間に追われすぎると、心に余裕がなくなってしまいます。 時には、ゆったりと過ごす時間も大切にしましょう。
「時は金なり」の英語表現
Time is money.
時は金なり。
ベンジャミン・フランクリンの言葉として、世界的に有名です。
例文:
Don’t waste time. Time is money!
(時間を無駄にするな。時は金なりだ!)
Time is precious.
時間は貴重である。 「時は金なり」と似た意味ですが、より一般的な表現です。
Time is of the essence.
時間が肝心である。 特に、ビジネスシーンなどで、時間が重要であることを強調する際に使われます。
まとめ
「時は金なり」は、時間はお金と同じように貴重であり、無駄にせず有効に使うべきだ、という意味のことわざです。
この言葉を胸に刻み、時間の大切さを意識しながら、日々を過ごしていきたいものです。
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