伸るか反るか

慣用句
伸るか反るか(のるかそるか)

6文字の言葉」から始まる言葉
スポンサーリンク

意味と状況 – 成功か失敗かの瀬戸際

「伸るか反るか」とは、結果が極端に良く出る(成功する)か、あるいは全く逆の悪い結果(失敗する)になるか、そのどちらかになるだろうという、運命の分かれ目のような状況を表す言葉です。

計画の成否や勝負の行方が、中間的な結果ではなく、成功か失敗かのどちらか一方に大きく振れることを予想し、成り行きに任せるしかない、といった場面で用いられます。
「一か八か」の状況に近い意味合いを持っています。

語源と由来 – 二つの結果を表す言葉の成り立ち

「伸るか反るか」の語源には諸説ありますが、はっきりとは分かっていません。

有力な説の一つは、矢作りの工程に由来するというものです。
矢柄(やがら)となる竹を火で炙ってまっすぐに矯正する際、うまくいけば「伸びて」まっすぐになる一方、失敗すると「反り返って」使い物にならなくなることから、この言葉が生まれたとされています。

もう一つの説は、サイコロを使った賭博(丁半博打など)に由来するというものです。
賭けの結果が「勝つ(勢いが伸びる)」か「負ける(期待に反する)」かの二択であることから、「伸るか反るか」という表現が生まれたとされています。

いずれの説においても、結果が成功か失敗かのどちらかに大きく分かれるという点が共通しており、言葉の意味と一致しています。

使用される場面と例文 – 一か八かの挑戦

「伸るか反るか」は、結果がどう転ぶか予測がつかず、運を天に任せるしかないような、リスクの高い挑戦や決断の場面で使われます。
ビジネスでの新規事業、大きな試験、スポーツの試合など、様々な状況で用いられます。

例文

  • 「このプレゼンテーションが成功するかどうか、まさに伸るか反るかの瀬戸際だ。」
  • 「新製品の開発に会社の命運がかかっている。伸るか反るかの大勝負だ。」
  • 「難しい手術だが、やるしかない。伸るか反るかだが、成功を信じよう。」
  • 「最終試験の結果次第で卒業が決まる。まさに伸るか反るかの状況だ。」

類義語 – 似た意味を持つ言葉

  • 一か八か(いちかばちか):結果はどうなろうと、運を天に任せて思い切ってやってみること。賭け事のようなニュアンスが強い。
  • 丁か半か(ちょうかはんか):サイコロの目の数が偶数(丁)か奇数(半)かということから、結果がどうなろうと運に任せてやってみること。
  • 運否天賦(うんぷてんぷ):人の運・不運はすべて天の意志によって定まるということ。成り行きを天運に任せること。
  • 当たるも八卦当たらぬも八卦(あたるもはっけあたらぬもはっけ):占いは当たることもあれば、当たらないこともあるということ。転じて、結果がどうなるか予測がつかないこと、運任せであること。

これらの類義語も「伸るか反るか」と同様に、結果を運に任せる状況を表しますが、「伸るか反るか」は特に「成功か失敗か」という二極の結果に焦点が当てられています。

対義語 – 反対の意味を持つ言葉

  • 用意周到(よういしゅうとう):用意が行き届いて、手抜かりがないこと。
    ※ 運に任せるのではなく、万全の準備をする様子を表します。
  • 安全第一(あんぜんだいいち):何よりも安全を最優先に考えること。
    ※ リスクを冒す「伸るか反るか」とは対照的に、危険を避ける姿勢を示します。
  • 石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる):非常に用心深く、慎重に行動することのたとえ。
    ※ 危険な賭けに出るのではなく、安全を確認しながら進む様子を表します。

英語での類似表現 – 結果は二つに一つ

「伸るか反るか」のように、結果が成功か失敗かのどちらかになる状況を表す英語表現には、以下のようなものがあります。

  • make or break
    意味:成功するか失敗するかの分かれ目となる、成否を決する。(形容詞的に使われることも多い)
  • sink or swim
    意味:沈むか泳ぐか。他人の助けを借りずに、自力で切り抜けるか失敗するかの状況。
  • all or nothing
    意味:すべてを得るか、すべてを失うか。一か八か。

これらの表現は、「伸るか反るか」が持つ「極端な結果」や「運任せ」のニュアンスを英語で伝える際に用いられます。

まとめ

「伸るか反るか」は、結果が成功か失敗かのどちらか極端に分かれるような、運命の瀬戸際を表す言葉です。

リスクの高い挑戦や、結果が予測できない重要な局面で、不確実性と覚悟を示す際に用いられます。
ただし、やや賭け事のような響きもあるため、ビジネスシーンなどでは使う相手や状況を選ぶ配慮も必要でしょう。

コメント