中学受験の国語では、ことわざに関する問題が頻繁に出題されます。
ことわざを正しく理解し、使いこなせるかどうかは、得点に大きく影響するだけでなく、文章全体の読解力を高める上でも非常に重要です。
「ことわざは数が多いから、覚えるのが大変…」と苦手意識を持っている人もいるかもしれません。
しかし、中学受験でよく出ることわざには一定の傾向があり、頻出度の高いものから効率よく覚えていくことが可能です。
この記事では、中学受験の国語で必ずと言っていいほど出題される、最重要のことわざを厳選して紹介します。
意味や例文を確認するだけでなく、効果的な覚え方や、実際の入試問題の出題パターンも解説します。
ことわざをマスターして、国語の得点アップ、そして志望校合格を目指しましょう!
中学受験でよく出題されることわざ一覧
ここでは、中学受験で特によく出題されることわざを、ジャンル別に分けて紹介します。
各ことわざの詳しい意味や使い方は、リンク先の個別ページで確認してください。
動物が登場することわざ
- 猫に小判:価値のわからない人に貴重なものを与えても無駄なこと。
- 豚に真珠:価値のわからない人に貴重なものを与えても無駄なこと。(「猫に小判」とほぼ同じ)
- 犬も歩けば棒に当たる:何か行動を起こせば、思わぬ幸運に出会うことがあること。
- 馬の耳に念仏:いくら意見や忠告をしても、全く効き目がないこと。
- カラスの行水:入浴時間が非常に短いことのたとえ。
- 猿も木から落ちる:名人でも失敗することがある。
- 鵜のまねをする烏:自分の能力を考えず、むやみに人のまねをして失敗すること。
- とんびに油揚げをさらわれる:大切なものを不意に奪われること。
- 虎の威を借る狐:他人の権威をかさに着ていばること。
- 飼い犬に手を噛まれる:普段から世話をしているものから、思いがけず裏切られること。
自然・天候に関する ことわざ
- 雨降って地固まる:もめごとや悪いことがあった後は、かえって良い状態になること。
- 焼け石に水:わずかなもので、効果がないこと。
- 月とすっぽん:二つのものが比較にならないほど違うこと。
- 風前の灯火:危険が迫り、消えてしまいそうな状況。
- 雷同付会:自分の考えがなく、他人の意見にすぐ同調すること。
体の一部を使ったことわざ
- 頭隠して尻隠さず:悪事や欠点の一部を隠しただけで、全体を隠せていないこと。
- 目から鱗が落ちる:あることをきっかけに、急に物事の真相がわかるようになること。
- 口は災いの元:うっかり話したことで災いを招くことがあるから、言葉には注意すべきだということ。
- 耳にたこができる:同じことを何度も聞かされてうんざりすること。
- 鼻が高い:誇らしい気持ち。得意な様子。
- 歯が立たない:相手が強すぎて、全くかなわないこと。
- 腹を割って話す:隠し事をせず、正直に話すこと。
- 肩を並べる:対等の立場になる。
数字の入ったことわざ
- 一石二鳥:一つのことをして、同時に二つの利益を得ること。
- 二度あることは三度ある:同じようなことは繰り返されることが多いということ。
- 百聞は一見に如かず:人から何度も話を聞くより、一度実際に自分の目で見た方が確かだということ。
- 一期一会:一生に一度だけの出会い。
- 十人十色:人はそれぞれ好みや考え方が違うこと。
その他の重要ことわざ
- 石の上にも三年:つらくても辛抱し続ければ、いつかは報われる。
- 急がば回れ:急ぐときほど、安全で確実な方法をとったほうが良い。
- 転ばぬ先の杖:失敗しないように、前もって準備しておくこと。
- 情けは人の為ならず:人に親切にすれば、自分にも良い報いがある。
- 善は急げ:良いと思ったことは、ためらわずにすぐ実行するべきだ。
- 覆水盆に返らず:一度してしまったことは、取り返しがつかない。
- 絵に描いた餅:役に立たないもののたとえ。
- 時は金なり:時間は貴重なものだから無駄にしてはいけない。
- 隣の芝生は青い:他人のものは何でも良く見えること。
- 果報は寝て待て:幸運は焦らずに待つのが良い。
ことわざの効果的な覚え方 – 3つのステップ
ことわざを効率よく覚えるための、3つのステップを紹介します。
- まずは意味を理解する:
ことわざの文字面だけでなく、そのことわざが伝えたい意味をしっかりと理解しましょう。今回紹介したリストのように、グループ分けして覚えるのも効果的です。 - 語源と例文で使い方を覚える:
ことわざが実際にどのように使われるのか、例文を通して確認しましょう。自分で例文を作ってみるのも良い練習になります。 - 繰り返し復習する:
一度覚えただけでは忘れてしまいがちです。カードや問題集などを活用して、繰り返し復習しましょう。
中学受験 ことわざ問題の出題例
実際の中学受験では、ことわざはどのように出題されるのでしょうか?
典型的な問題パターンをいくつか見てみましょう。
問題例1
次のことわざの意味として最も適切なものを選びなさい。
「猫に小判」
ア. 価値のあるものを大切にすること。
イ. 価値のわからない人に貴重なものを与えても無駄なこと。
ウ. どんなものでも役に立つこと。
エ. 努力すれば必ず報われること。
【解答】 イ
問題例2
次の文に合うことわざを書きなさい。
いくら注意しても効果がない。まさに、( )だ。
【解答例】 馬の耳に念仏
【問題例3】
次の会話文を読み、空欄に当てはまる最も適切なことわざを、後の選択肢から選びなさい。
Aさん:「サッカーの試合、うまくいかなかったけど最後まで全力で頑張ったよ!」
Bさん:「それは素晴らしいね! まさに( )だね。」
ア. 石の上にも三年
イ. 七転び八起き
ウ. 馬の耳に念仏
エ. 二兎を追う者は一兎をも得ず
【解答】 イ(七転び八起き)
問題例4
次の文中のことわざの使い方として、誤っているものを選びなさい。
ア. 彼はいつも自慢話ばかりしている。まさに「口は災いの元」だ。
イ. 努力が実って、志望校に合格できた。「石の上にも三年」だ。
ウ. 彼女は、初めてスキーをしたのに、とても上手に滑っていた。「猿も木から落ちる」とはこのことだ。
エ. 重要な書類をなくしてしまった。「覆水盆に返らず」で、もうどうしようもない。
【解答】
ウ (「猿も木から落ちる」は、名人が失敗することのたとえ。初めての人が上手なのは、このことわざには当てはまらない)
問題例5
次の二つの文が、ほぼ同じ意味になるように、( )に適切なことわざを入れなさい。
次の文とほぼ同じ意味になるように、( )に当てはまることわざを、後の選択肢から選びなさい。
- 一度失敗してしまったことは、もう元には戻せない。
- ( )。
ア. 雨降って地固まる
イ. 覆水盆に返らず
ウ. 急がば回れ
エ. 石の上にも三年
【解答】 イ
問題例6
(記述問題)
「情けは人のためならず」ということわざの意味を説明しなさい。
【解答例】
人に親切にすれば、その親切が巡り巡って、やがて自分に良い報いとなって返ってくる、という意味。
問題例7
(記述問題)
「急がば回れ」ということわざの意味を説明しなさい。
【解答例】
- 近道は工事中だった。急がば回れで、遠回りして行くことにした。
- 難しい問題は、急がば回れで、基礎からじっくりと復習したほうがいい。
まとめ
中学受験国語で頻出の「ことわざ」は、合否を分ける重要な要素です。
この記事で紹介した頻出ことわざをしっかり覚え、問題演習を繰り返すことで、国語の得点力を向上させることができます。
ことわざ学習を通して語彙力や読解力を高め、自信を持って入試本番に臨んでください。
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